(仮訳)
ワシントン、2012年1月24日 -世界銀行理事会は本日、途上国に対する融資実行(disburse)を、定められた成果の達成に直接リンクさせる革新的な新融資制度、成果連動型プログラム融資制度(Program-for-Results: PforR)を承認した。融資実行は、成果の達成が確認された時点で行なわれる。
PforRは、様々な国・セクターにおいて政府が行うプログラムに資金が提供される。例えば、出産前診断を受診した女性の割合や新生児の健康の改善、幼児の予防接種実施率向上、給水・衛生サービスの持続的提供、幼児教育・初等教育の対象拡大や品質向上、貧困ライン以下の農村世帯数減少などに役立てられる。
「途上国による成果達成の支援を通じて開発効果を拡大することこそが、世界銀行の使命だ」と、世界銀行グループのロバート・B・ゼーリック総裁は述べている。「PforR制度では、活用する国にこれまで以上に厳しい説明責任が課されることになるが、その分こうした国々は、世銀の支援が終了した後も長期にわたり持続的な成果が期待できるようになるだろう」
PforRはまた、当該国のプログラムの透明性と説明責任の強化、不正・腐敗撲滅のためのシステム強化にも役立つ。新融資制度の下で世銀は、途上国自身が運営する大規模プログラムの一部に資金的支援を行うと同時に、専門的知見をプログラム全体に提供する。例えば、PforRプロジェクトの情報政策に世銀の情報公開政策が適用されるなど、プログラム全体に世銀の情報公開と透明性に対する厳しい対応が適用されることになる。
受託者としての義務、環境面、社会面などプログラム制度の主要アセスメントは、この新融資制度の重要な特徴であり、これにより、世銀融資の適切な活用、プログラムの環境・社会的影響への十分な配慮を確保することができる。こうしたアセスメントの結果は公開されることになる。
PforR制度はまた、途上国による開発プログラムの設計・実施の改善、組織・制度の強化、能力構築にも役立つ。
「新融資制度を活用する国が効果的で説明責任を備えた組織・制度を構築することは、より望ましい開発成果達成の鍵となる。この新融資制度により世界銀行は、政府、開発パートナー、シビルソサエティ、民間セクターなどと共に、成果、組織・制度の構築、パートナーシップ強化を重視するより良いパートナーとなるものと確信している」と、世界銀行のヨアヒム・フォン・アムスバーグ業務政策・国別サービス総局副総裁は述べている。
過去12か月間にわたり2段階に分けて、世界各地の途上国34か国とドナー国7か国で、政府担当官、開発パートナー、シビルソサエティ組織、民間セクター、学者など幅広いステークホルダーが参加して広範な協議プロセスが行われ、その際に得られたフィードバックがPforRの設計に生かされている。