(共同リリース:世界銀行、 早稲田大学)
早稲田大学が世銀債「グリーンボンド」を購入
~資金運用を通じて地球温暖化対策に貢献~
2011年11月8日 東京ーこのたび、早稲田大学が世界銀行(国際復興開発銀行)発行の「グリーンボンド(グリーン世銀債)」を 下表のとおり購入しましたのでお知らせ致します。 グリーンボンドは、世界銀行が資金拠出を行っている事業のうち、地球温暖化の要因を取り除くことを 目的に、あるいは地球温暖化により引き起こされる諸問題に対処することを目的に開発途上国で実施され る事業を支援するために発行されている債券です。グリーンボンドの対象となる事業には、代替エネルギ ーの導入、温室効果ガスの排出を軽減する新技術の開発支援、森林再生、河川流域管理、洪水対策などが 含まれており、本債券の発行により調達された資金は、これらの事業を支援するために設けられた特別勘 定に計上されます。世界銀行は、これまで約 25 億米ドル相当額のグリーンボンドを 43 銘柄・16 通貨で発 行しており、日本国内でも約 2 億 5000 万米ドル相当額・16 銘柄が発行されています。
早稲田大学は、私立大学としてはいち早く、1979 年に実験系廃棄物の適正処理や化学薬品の安全管理 などを行う環境保全センターを設立するなど、様々な環境保全活動に先導的に取り組んできました。地球 環境と社会の関係の中で先見性と積極性を持って問題解決に向け、大きな役割を果たしてきたことは、本 学らしい環境保全活動の特徴と言え、その伝統は今日まで連綿と受け継がれています。(概要は次ページ)。 そのような中、資金運用においても債券投資を通じて地球温暖化対策に貢献できることから、今回の投資 を決定致しました。日本の大学によるグリーンボンドの購入は極めて稀な例となっています。
発行体 世界銀行(国際復興開発銀行)
起債通貨 豪ドル
購入額面 1,000万豪ドル
受渡日 2011年10月6日
償還日 2021年10月6日
世界銀行 有馬良行財務局駐日代表のコメント
「世銀から日本への最後の貸出が実行され、日本が資金の借り手から貸し手に転じてから既に 40 年が経過しま した。この間、世銀は多くの日本の投資家の皆様の資金に支えられ、日本の資本市場の発展と共に歩んで参り ました。このたび、早稲田大学様にグリーンボンドの趣旨にご賛同頂き、地球温暖化防止並びに途上国支援の ための資金をご提供頂いたことに深く感謝致します。48 年振りとなります来年の日本での IMF 世銀総会に向 けて、今後とも日本の皆様からご支援を頂ける様、努力して参りたいと思います。」
早稲田大学 大塚宗春常任理事(財務担当)のコメント
「早稲田大学は“早稲田から WASEDA へ”を掲げ、大学の国際化を推進しています。また環境問題においても、 “WASEDA ECO FUTURE”として、業務のみならず、研究・教育分野でも先進的な取り組みを行っています。 このたび、グリーンボンドを通じて本学の資金を国際的な温暖化対策プロジェクトに活用できることを大変嬉 しく思っております。今後とも、早稲田大学は地球規模の課題に対する様々な取り組みを推進し、グローバル 社会に生きる人材を養成してまいります。」
世界銀行について
世界銀行(通称 IBRD:International Bank for Reconstruction and Development) は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在188の加盟国が出資し運営しています。IBRDは加盟国への貸出・保証に加え、リスク管理サービスおよび分析・助言サービスも提供し、加盟国の公平で持続可能な経済成長と環境保全を両立しつつ、世界の貧困を削減することを目指しています。最終的な目標は、貧困を撲滅し世界中の人々の生活水準を改善することです。貸出資金を調達する(借入れる)ために、世界銀行は60年以上にわたり国際資本市場で債券を発行しています。詳しくは世界銀行財務局のウェブサイトをご覧ください。