Skip to Main Navigation
特集 2019年7月12日

都市型洪水対策に向け、環境配慮型ソリューションを統合

2019年7月12日
インドネシア、ボゴール

Image
設計の対象地を想定し、豪雨による流出雨量を管理するための斬新なソリューションを検討・設計するビマとアンボンの代表者らとファシリテーター (写真:世界銀行)

2019年7月12日、インドネシアの5都市(アンボン、ビマ、マナド、パダン、ポンティアナック)の自治体代表者が対話型デザインスタジオに集合し、都市型洪水に対する強靭性を高めるための、自然を基盤として環境に配慮したソリューションを導入するための課題と機会を実際に体験して学びました。この デザイン・ワークショップは、インドネシア持続可能な都市化のためのマルチドナー信託基金(IDSUN)、防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、日本―世界銀行防災共同プログラムの協力のもと、インドネシアの都市型洪水対策の強靭性に関する技術支援プログラムの一環として実施されました。

このワークショップは「ミニ・スタジオ・アプローチ」を用い、参加者とファシリテーターが協働して「洪水に対して強靭な都市開発とは何か」についてビジョンの深掘りと投資の提案を行いました。これらの提案は対象地の分析プロセス、豪雨による流出雨量の計算、自然を基盤として環境に配慮したソリューションのコンセプトデザイン等を基に行われました。参加者は3つのチームに分かれ、特定のホテルの敷地内を対象とし、各チームが提案する設計に沿って、様々な自然を基盤としたソリューションやグリーンインフラソリューションを適用することで、流出雨量を減らす様々な方法を検討しました。この演習では、特定の場所の状況に応じて洪水に対する強靭性を向上させるため、各チームは斬新なソリューションや独創的なアイディアの追求をしながら、持続可能性および人々の役に立つユニークで開放的な場所づくりを目指したデザインの提案がなされました。

Image
対象地の分析に積極的に参加し、介入戦略と洪水に対して強靭な都市デザインのビジョンを発表する代表者(写真:世界銀行)

「対象地についてアイディアを検討し、ソリューションを設計するという面白い経験ができました。そのお陰で、私たちの都市の洪水に対する強靭性を一歩高めるためのビジョンや戦略に関して、様々なアイディアが得られました。また、各都市の状況に応じて実際にどのように適用できるのか、自分の目で見て体感できました。」– ビマの代表者

「このホテルの所在地である雨のまち、ボゴールの独特な地形と地理的条件を最大限活用するにはどのようにするべきかを試したかったので、自分たちの設計には意図的に極端なアプローチを用いました。雨水を無駄にはしたくなかったため、雨水を最大限に利用できる設計を提案するよう努めました。その結果、とても斬新な環境に配慮した設計を考案できました。資金調達についても話し合い、自然を基盤としたソリューションはうまく実施すれば、出資を希望する人にとっての大きな可能性を秘めているかもしれないと感じています」 – ポンティアナックの代表者

「特に豪雨による流出雨量の計算と提案されたソリューションとを結びつける経験から多くを学びました。一定のレベルまで改善を行った後に、雨水管理能力の最後の1%分を、敷地内でスペースの機能を大きく変えずに改善することが大変難しかったです。自然を基盤としたソリューションを実施する際に、その一長一短や省力化について理解して具体的に考えるにあたり、とても重要な方法です」  – マナド代表者 

今回の対話型「ミニ・スタジオ・アプローチ」は、以前に実施された類似の演習のスタイルから取り入れたものです。それは2019年4月に、世界銀行都市洪水コミュニティーオブ・プラクティス(Urban Floods Community of Practice (UFCOP))、東京防災ハブ、世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)が共催し、世界銀行の9つのクライアント国、各タスクチーム、および日本の雨水デザイン・コーディネーターとともに開催した「総合的な都市洪水リスク管理:分野別実務者研修会合」の一環として行われました。ボゴールと東京とでは都市の規模、人口密度、都市化の状況が異なりますが、科学と雨水に配慮した都市計画を導入することで、参加者が実践的な演習を通して新しい視点や考え方、インスピレーションを得る機会となりました。インドネシア政府と世界銀行の連携のもと、自然を基盤とし、環境に配慮した複数のソリューションを一体化するビジョンや戦略は、次の段階でさらに進展し、インドネシア国内の選ばれた都市における都市型洪水対策強靭化計画の発展に貢献します。 



Api
Api