教室は興奮と活気に満ちています! 「Vardanants Aspetner」エレバン市第106基礎学校の生徒たちは、互いに顔を見合わせ、笑い合いながらオンラインゲーム「スーパー・デイヴィッド」に興じています。どの生徒もゲームで最高得点を出そうと、夢中で競い合っています。
このスーパー・デイヴィッド・オンラインゲームは、Dasaran教育プラットフォームが、子どもたちに自然災害について意識を高めてもらい、緊急事態についての基礎知識と心構えを身につけてもらうという、非常に実用的な目的で設計したものです。
「オンラインゲームで子供たちに興味を起こさせ、関心を持たせることができるようになりました」と、子どもたちの先生、アリナ・サハキャンさんは話します。「競争意識が生まれるので、子どもたちはすぐに集中し、熱心に学び始めます。私たちは一定の授業時間をかけて自然災害のテーマに取り組んでいますが、このゲームは私たちにとってすばらしい教材です」
このオンラインゲームは、地震、火災、落雷、地滑り、洪水、暴風、豪雨、落石の8種類の自然災害に関する一連の質問と課題で構成されています。質問に正しく答えられた生徒は星を獲得でき、ゲームの8つのステージをすべて終えると「スーパー」の称号が与えられます。このゲームは1年生から使えるよう設計されています。
8年生のサムヴェル・ババジャニアン君は熱心なプレーヤーです。同級生のルイーザ・マヌキアンさんとチームを組み、ゲームの質問にすばやく答えていきました。2人はゲームの各ステージを通過し、クラスの全員で大喜びしました。最も多い63個の星を獲得したサムヴェル君は「スーパー」の称号を獲得しました。
「落雷の問題は簡単だったけれど、落石の問題は難しかったです」と、サムヴェル君は元気に話します。「それから、勝つとスーパー・デイヴィッドが911(救急)ヘリコプターをくれるので、そういうところが楽しいです!」
このオンラインゲーム・プロジェクトの実施を主導したリマ・サルキシャンによれば、「デイヴィッド」のモデルは、アルメニアの国民的叙事詩「サスンの勇者」に登場する「サスンのデイヴィッド」だといいます。人々を助けるために困難を乗り越える「サスンのデイヴィッド」のように、スーパー・デイヴィッドは、子供たちが自然災害に備えるよう手引きするのです。オンラインゲームのなかで、「サスンのデイヴィッド」の馬「Qurkik Jalali」と剣「Tur Ketsaki」(「明るく照らす剣」)は、さまざまな困難な状況にすばやく対処するための知識・技能・能力という形で表現されています。
「スーパー・デイヴィッドのキャラクターは、非常事態省(MES)が全国の学校の生徒向けに導入したものです。そこで私たちは、このキャラクターを、もう少し現代的にアレンジして活用することにしました」とリマは話します。