災害に強い社会の構築―技術革新を駆使した日本の取組み
今週、東京、石巻、名古屋にソフトウェアおよびハードウェアの開発者チームが集結し、地震や台風、洪水などの自然災害に対するコミュニティの防災・減災に、テクノロジーがどのように活用できるかを探ります。
このイベントは、「日本 - 世界銀行防災共同プログラム」の立ち上げおよび世界銀行東京事務所内の防災ハブ開設を記念して行われるものです。同プログラムは、防災を開発計画策定や投資プログラムにおいて主流化するために、日本の専門知識を活用し、技術協力、自然災害に対する脆弱性の軽減に特化したパイロット・プロジェクト、知識構築・キャパシティビルディングの活動をはじめ、各種取組みを支援していきます。
「日本は地震や津波など自然災害の影響を受けやすいため、災害に強いコミュニティを作ることの重要性を身にしみて実感しています。アジア地域が直面する重要な課題に革新的なソリューションを提供するため、日本の市民ハッカー・コミュニティの力が役立てられることをうれしく思います」と日本におけるハッカソンの実行委員長である古橋大地氏は述べています。
ハッカソン開催
防災グローバル・ファシリティは長年、同様のイニシアティブから結実した最先端のソリューションを支援してきました。その一例がランダム・ハックス・オブ・カインドネス(RHoK)で、セントルシアによる複雑な地滑りのリスク・モデルの視覚化ツール「CHASM」の開発・稼働を支援しました。世界銀行が支援したハッカソンからは、革新的なソリューションが生まれています。子供たちが優れた保健・衛生習慣を身につけることのできる携帯電話ゲームや、生徒、親、教師が、地方自治体や中央政府の教育省に地元の学校施設に関する懸念をメールを使って伝えることができるツール、開発用資金の国内外への流れを追跡するアプリケーションなどです。
災害に強い社会の構築を目指す今回のハッカソンに向け、コード・フォー・レジリエンスは幅広いパートナーから課題を集め、参加者はこれに取り組みます。具体的には、沿岸地域の漁師が避難できるように台風接近を知らせる早期警報システム、洪水多発地域の農家が作物を守るのに役立つ降雨予測ツールなど、多岐にわたります。
防災グローバル・ファシリティのフランシス・ゲスキエール事務局長は「コード・フォー・レジリエンスのような共同イニシアティブを通じて防災専門家と各地の開発者を一同に集め、自然災害に強いコミュニティづくりのための革新的アプリケーションを創り出すことが可能になります」と述べました。
コード・フォー・レジリエンスは各地域のパートナーと協力して、アジアの中でも人口密度が高く、急速に都市化が進んだために自然災害の影響を受けやすいコミュニティを抱えた都市で、ハッカソンを開催します。イベント開催都市は、バンガロール(インド)、コロンボ(スリランカ)、ダッカ(バングラデシュ)、ジャカルタ(インドネシア)、マニラ(フィリピン)、ペシャワール(パキスタン)です。
課題に対するソリューションのプロトタイプを考案した参加者は、コード・フォー・レジリエンスのオンライン・イノベーション・チャレンジを通じて、それぞれのツールの構築、テスト、改良を進めることができます。オンライン上でハッカソンを継続することにより、開発者同士が協力して作業を進めることが可能となり、メンターとなる専門家から支援を受けることができます。
オンライン・イノベーション・チャレンジの上位入賞者は、2014年7月にロンドンで行われるUnderstanding Risk Conference において、世界有数の防災専門家の前で、開発したツールのプレゼンテーションを行う機会を与えられます。
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コード・フォー・レジリエンスへの参加をご希望の方は、コード・フォー・レジリエンス(オンライン)にて、課題を提案、アプリ・ディレクトリを閲覧またはアプリを追加、地域のハッカソン・イベントに参加登録することができます。ツイッター@CodeForResilienceでもフォローしてください。
日本でのハッカソンは、2月8日、9日に東京、石巻、名古屋で開催予定です。詳細はウェブサイトをご覧ください。