2009年11月20日— 10歳のアフラ・アドデル・ラーマンは学校に通っており、医者になるという夢をもっている。イエメン農村部では、社会慣習、家庭の経済状況、男女共学を嫌うことなどから、これまでは女子の多くが学校に行けなかったが、今ではアフラのように教育を受けられる女子の数が増えつつある。
現在、イエメンでは学校建設が進み、全体として就学者数が増えている。さらに、女子の通学を促進すべく、何百人もの女性教員の養成・雇用も進んでいるが、その多くは自身も社会的な慣習という壁を乗り越えきた者たちだ。
「私が教師になった頃は、女性のための教育などありませんでした。この地域では私が唯一の女性教員でした」と、このプログラムの下で研修を受けた新人教員のファイザ・アーメドは言う。「女性教員がいると知った親たちが娘を学校に通わせるようになり、今では女性教員の数は実に95人に上ります!」
イエメンのこのプログラムは、世界で最も貧しい79か国を支援する国際開発協会(IDA)が、低所得国の人々の生活向上に向けた大規模な取り組みの一部として進めている。
過去5年間、国際開発協会(IDA)の支援により、低所得国で100万人以上の新人教員が誕生して60万室以上の教室が建設されると共に、700万人以上に基礎的な保健・栄養サービス、1100万人以上を対象とする公共事業・社会サービス・プロジェクト、200万人以上の生活の質を向上させる上下水道プロジェクトが進められてきた。
しかし過去2年間は、食糧、燃料そして金融と続いた危機の影響により、グローバルな開発目標に向けた歩みが脅かされていると、アクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ世界銀行譲許資金・グローバル・パートナーシップ担当副総裁は指摘する。
世界銀行幹部とドナー国、借入国の代表者が今週、ワシントンDCに集まり、危機に対する国際開発協会(IDA)の強力かつ素早い対応を歓迎すると共に、さらなる取り組みが必要であるとの認識に基づき、IDA内に危機対応特別枠を設置する提案を了承した。新設枠は、危機により大きな打撃を受けた結果、短期的に歳入減少と予算不足に直面する政府が保健、教育、セーフティネット、インフラストラクチャー、農業の各分野への支出を維持できるよう、支援する。