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Factsheet 2021年4月15日

IDAとは?

(最終更新日:2022年9月12日)

IDAとは? 
 
世界銀行の国際開発協会(アイダ:IDA)は、世界の最貧困国における極度の貧困削減と闘うための最大かつ最も有効なプラットフォームです。

  • IDAは、アフリカ、東アジア・太平洋、南アジア、ヨーロッパ・中央アジア、ラテンアメリカ・カリブ海、中東・北アフリカの各地域で計74カ国を支援しています。 

  • IDAは、経済成長、強靱性の強化、世界の貧困層の生活改善を図るプログラムに資金と政策助言を提供することで、貧困削減の達成を目指しています。

  • IDAの支援を受けている国の半数以上が既に、IDA資金の全額または半額を、返済の必要が一切発生しないグラントにて受領しています。グラントは、債務超過のリスクが高い低所得国が対象となります。
  • IDAは過去62年間で114カ国に約4,580億ドルを提供してきました。さらにIDAは、重複する危機の中での各国支援において優れた実績があります。

 

IDAの仕組み

  • IDAのパートナーと借入国代表は、3年ごとに会合を開き、IDAの増資について協議すると共に、政策を見直します。増資の原資は、ドナー国からの拠出金、世界銀行の自己資金、資本市場で調達された資金で構成されています。

  • 1960年の創設以降、IDAの増資サイクルは20回に上ります。現在のサイクルであるIDA第20次増資(IDA20)は、2021年12月に妥結に至りました。コロナ危機により途上国で発生した過去に例のない膨大なニーズを満たすため、IDA20の増資交渉は予定を1年前倒しして実施されました。
  • 930億ドルのIDA20パッケージの内訳は、52の高・中所得国からの総額235億ドルの拠出金、資本市場で調達した資金、借入国からの返済金、世界銀行の自己資金です。

IDA20プログラム

  • IDAは、多様な課題に対応する組織であり、平等、経済成長、雇用創出、所得向上、生活水準向上への道を開く様々な開発の取組みを支援しています。

  • IDA20は、IDA借入国が重複する危機に取り組み、持続可能な開発のための2030アジェンダに向けた軌道に再び乗れるよう支援するため、「危機からのより良い回復:環境に配慮した強靭で包摂的な未来に向けて」を総合テーマに掲げています。IDA20サイクルの対象期間は、2022年7月1日から2025年6月30日です。

総合テーマを支える5つの特別テーマ:

  • 人的資本:重複する現在の危機に対応し、包摂的な回復の基盤を構築します。このテーマの下で、ワクチン・プログラムの展開、セーフティネットの強化、パンデミックへの備えのある強固な保健システムの構築を通じ、各国によるパンデミック対策を引き続き支援します。

  • 気候変動:環境に配慮したより良い回復への意欲を高め、再生可能エネルギー、強靱性、緩和への投資を拡大しつつ、自然や生物多様性の保全といった問題に取り組みます。

  • ジェンダー:男性と女性、男子と女子の間の社会・経済的格差を解消する努力を強化する。具体的には、経済的包摂、ジェンダーに基づく暴力、育児、土地をめぐる女性の権利の強化等の問題に取り組みます。

  • 脆弱性・紛争・暴力(FCV):FCVの要因解消に取り組み、難民のための政策改革を支援し、サヘル、チャド湖、アフリカの角の各地域におけるイニシアティブを強化します。

  • 雇用と経済変革:環境に配慮した強靭で包摂的な回復を通じより多くの人が質の高い雇用にアクセスできるよう支援します。IDA20は今後も、マクロ経済の不安定性に取り組み、改革と公的投資を支援し、質の高いインフラ、再生可能エネルギー、包摂的な都市開発に力を注いでいきます。

 IDA20は、4つの分野横断的課題に集中的に取り組み、回復に向けた取組みを強化:

  • 危機への備え:危機に素早く適応できるよう国家システムを強化し、ショックへの備えのための投資を拡大して、対策としてのセーフティネット等を通じ、国としての備えを強化します。

  • 債務の持続可能性と透明性:持続可能な開発金融政策(SDFP)が引き続き、債務の持続可能性、透明性、管理において各国を支援する際のカギとなります。

  • ガバナンスと組織:持続可能な回復に貢献する環境の構築に向けて公的機関の強化を図ります。コロナ後のより包摂的で強靭性の高い経済への転換を促進し、国内資金の動員やデジタル開発を強化し、不法な資金の流れに取り組みます。

  • テクノロジー:デジタル・インフラ、技能、金融サービス、企業を重点対象に、デジタル変革を加速させます。また、深刻なデジタル格差のリスクに対応し、サイバー・セキュリティを確保した安定的なデーター・システムの構築を支援します。

IDA20がパッケージの一環として掲げる成果目標 

  • 最大4億3,000万人を対象とする基礎的な保健・栄養・人口サービス
  • 最大2億人の子供への予防接種
  • 最大3億7,500万人のための社会的セーフティネット・プログラム
  • 最大5,000万人を対象とする電力サービスの改善または新規提供
  • 2,000万人のためのクリーン・クッキングへのアクセス確保
  • 最大2,000万人のための水資源の改善

IDAの最近の取り組み例:

以下は、強靭な回復に向けた各国の取組みに対するIDA支援の例です。

  • アフリカのベナン、マラウイ、コートジボワール、そして南アジア全域で、IDAは世界保健機関(WHO)等のパートナーと協力してワクチン調達・配布と接種への躊躇に取り組むための資金を提供しています。

  • 西アフリカでは、エボラ出血熱の疾病監視プロジェクトにより、各国がコロナの保健危機に直面する準備が整いました。

  • トンガでは、IDAの緊急資金により、政府は2022年1月の噴火と津波に対応することができました。このプロジェクトは、災害リスク管理法の大幅な改革を促進することで、自然・気候関連リスクに対するトンガの強靱性を強化しました。

  • 気候変動がコロナの影響をさらに強めているサヘルでは、IDAは、モニタリング・イニシアティブを立ち上げ、既存の早期警戒システムを強化し、農牧セクターを支援するために的を絞った対応を行っています。

  • イエメンでは、IDAは、水、教育サービス、ヘルスケアなど、ソーラーシステムに支えられた重要な施設を320万人以上の人々(51%が女性)に提供しています。

  • バングラデシュでは、2020年に発生したコロナによる閉鎖後、12ヶ月未満の子どもたちへの予防接種の再開をIDAが支援しました。これにより、同国では、ロヒンギャ族の避難民キャンプにおいて、2020年に2万8,585人、2021年に2万5,864人の子どもたちに予防接種を行うことができました。

  • ブルキナファソ、チャド、マリ、ニジェール全体で、IDAの対応により、200万人が基本的な食糧需要のための現金給付や食料バウチャーを通じて恩恵を受けました。また、約3万人の農民が種子や肥料を入手できるデジタルクーポンを受け取り、7万3,500人(うち3万2,500人は女性)が土地の復旧活動を通じて一時的に仕事を得ることができました。

 


お問い合せ:

ワシントン:

Patricia da Camara, pdacamara@worldbankgroup.org

Zeria Banda, zbanda@worldbank.org

東京:

開裕香子、(+81-3) 3597-6650、yhiraki@worldbankgroup.org