主催:世界銀行東京防災ハブ
共催:世界銀行 都市・レジリエンス・土地グローバルプラクティス(GPRH)
レジリエント住宅グローバルプログラム
2024年、世界では自然災害による損失額は3200億ドルに達しました。被災した建物の80~90%(金銭的価値で50%程度)は住宅分野と推定されています。世界銀行は、過去40年以上にわたり、自然災害や紛争後の住宅復興を世界各国で支援してきましたが、頻発する自然災害や都市化に鑑み、平時からのより包括的な取り組みの必要性が再認識されています。
今回、世界銀行が支援した過去の災害後の住宅復興プロジェクト80件以上を包括的にレビューした結果、従来の「成功」の定義を見直す必要性が見えてきました。レビューにもとづき今回発表するレポートでは、災害後に集中して対応するのではなく、災害以前から取り組むべき、「強靭な住宅の提供能力(Housing Resilience Capacity)」の導入が提案されています。これは、政府や社会が自然災害前、災害中、災害後に住まいを提供する能力を測るものです。
世界銀行や各国が住宅分野の防災能力強化を図っていくにあたり、日本の経験は非常に示唆に富んでいます。日本の住宅再建のアプローチは、この一世紀にわたり大きく進化してきました。こうした進化は、度重なる大規模災害から得られた教訓を通じて形成されており、日本はその都度、住宅再建に関する制度や実施体制の強化を重ねてきました。また、日本の住宅復興は、将来を見据えて高齢化などの社会の変化に伴う課題にも柔軟に対応している点も特徴的です。厳格な建築基準、民間セクターの参画、そして自治体やコミュニティ、専門家の協働、住民主体の復興といった日本の経験は、他国に対して貴重な示唆を与える「強靭な住宅の提供能力」のひとつのモデルを提示しています。
プログラム
第1部(午後2時~3時25分)
開会挨拶
津田尊弘
財務省国際局開発機関課 課長
講演1
「新たな時代の住宅政策:世界銀行の災害復興プロジェクト(1980~2024年度)から学ぶ教訓 」
ルイス・ミゲル・トリベーニョ・チャン・ジャン
世界銀行 上級都市開発専門官
講演2
「日本の住宅再建における数十年の経験と教訓」
牧紀男
京都大学 教授
講演3
「2011年東日本大震災における住宅再建 」
佃 悠
東北大学 准教授
講演4
「住宅再建における参加型アプローチ:日本と海外の事例 」
井内 加奈子
東北大学 准教授
第2部(午後3時40分~5時)
パネルディスカッション
上記講演者
モデレーター及び閉会挨拶
ニルス・ホム・ニルスン
世界銀行防災グローバルファシリティ マネージャー
(敬称略)
イベント詳細
- 日時: 2025年5月14日(水)午後2時~午後5時
- 開催形式: ハイブリッド(会場参加またはWebexによるオンライン参加)
- 場所(会場参加の場合): 世界銀行東京事務所 東京開発ラーニングセンター(TDLC)東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル14階
- 使用言語: 日本語、英語(同時通訳付)
- 参加費: 無料
- お申込み: 以下の登録フォームからお申込みください(要参加登録)。フォームが作動しない場合は、お名前、ご所属(会社・団体名、ご部署、ご役職)、メールアドレスを明記の上、下記までメールをお送りください。
- お問合せ: 世界銀行東京防災ハブ 03-3597-1320
- drmhubtokyo@worldbank.org