共催 世界銀行グループ、国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所
開発に関する議論においては、気候変動に対する強靭性は防御的かつ反応的な言葉で表現されることが多く、影響を予測し身を守ることができない受動的な被害者として個人を扱うようなトップダウンの対策に重点が置かれています。このような狭いアプローチでは、企業、農場、世帯などが混乱への準備、回復、適応の能力という重要な側面が見落とされています。真の強靭性とは、人々が混乱に備え、ショックから回復し、変化する状況に適応するといった積極的な対策を講じられるようにすることです。そのためには、資金、実用的な情報、保険、流動性など、適切なツールやリソースを利用できる必要があり、これらが欠如すると、コミュニティは脆弱な状態に置かれます。政策によってこの格差を埋めることはできますが、どのようにすればよいのでしょうか。
このためには、視点の転換が求められます。つまり、受動的な防御から能動的なエンパワーメントへと移行することです。このアプローチでは、人々を変化の主体として認識し、必要なツールが提供されればリスクを予測して対処します。気候や天気に関する情報へのアクセスが改善されれば、個人はリスクを評価し、情報に基づいた決定を下し、新しいスキルに投資したり、事業を拡大したり、将来の見通しのある安全な環境に移転したりする機会をつかむことができるのです。
新報告書「強靭性の再考」(Rethinking Resilience: How to Help People to Prepare, Recover, and Adapt)では、気候変動に対する強靭性を、公的プログラムや投資だけでなく、企業、農場、世帯をエンパワーする民間セクターによる行動の観点から捉えなおしています。金融リソースの強化、実用的な情報の提供、適応能力の育成のための政策を優先することにより、強靭性を、気候リスクが増大する時代における持続可能な開発の原動力とすることが期待されます。
今回のセミナーは、インダーミット・ギル世界銀行グループ チーフエコノミスト兼上級副総裁の来日にあたり実施します。セミナーでは、同報告書の主なポイントをご紹介するとともに、国レベルでの政策策定・導入、様々な知見の活用、災害リスク管理と気候変動への強靭性に関する最先端の知識の共有、実用的な解決策と強靭性を高めるための協力の促進などについて議論します。
スピーカー
インダーミット・ギル
世界銀行グループ チーフエコノミスト兼上級副総裁
峯陽一
国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所 所長
他
参加登録
参加をご希望の方は、本ウエブページ上のオンラインフォームで、ご希望の参加方法(会場参加またはWebexによるオンライン参加)を選択の上、スピーカーに対する質問とともにお申込みください。オンライン参加をご希望の方には、4月2日にWebexリンクをお送りします。
イベント詳細
- 日時: 2025年4月3日(木)午前10時~午後0時(日本時間)
- 開催形式: ハイブリッド(会場での対面参加またはWebexでのオンライン参加) ※オンライン参加をご希望の方には、4月2日にWebexリンクをお送りします。
- 場所(会場参加の場合): 世界銀行東京事務所 東京開発ラーニングセンター(TDLC)東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル14階 ※アクセス方法は「関連項目」をご覧ください。
- 使用言語: 英語・日本語(同時通訳付き)
- お申込み: 以下の登録フォームからお申込みください(要参加登録)。フォームが作動しない場合は、お名前、ご所属(会社・団体名、ご部署、ご役職)、メールアドレスを明記の上、下記までメールをお送りください。
- お問合せ: 世界銀行東京事務所・大森
- komori@worldbankgroup.org