世界銀行は2024年12月9日、新報告書「束縛されないサービス:東アジア・太平洋地域におけるデジタル技術と政策改革」(Services Unbound: Digital Technology and Policy Reform in East Asia and Pacific)を発表しました。同報告書は、製造業で知られる同地域では、デジタル化によりサービスが東アジア・太平洋地域内の各国における最もダイナミックな部分に変化しつつあると指摘しています。
同報告では、過去10年間、サービス業が製造業よりも労働生産性の向上に大きく貢献していることを強調しています。サービスの輸出は財の輸出を上回り、中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイではサービスへの海外直接投資(FDI)が製造業の5倍のペースで増加しています。サービス業ではまた、女性の雇用比率が高く、経済が発展するにつれてこの傾向は高まっています。
今回のモーニングセミナー(第209回)は、同報告書をとりまとめたアレッサンドロ・バラッティエリ世界銀行 東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミストが、日本の皆様に向けてオンラインで同報告書の主なポイントをご紹介しました。
スピーカー
アレッサンドロ・バラッティエリ
世界銀行 東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト
2023年、世界銀行入行。ケベック大学モントリオール校教授でもある。国際経済学、マクロ経済学、金融学に関する研究に関心を持つ。貿易自由化におけるグローバルな格差と物資/サービスの非対称性のインパクト、保護主義のマクロ経済学的効果、金融機関の相互連結性とレバレッジサイクルの関係、自然災害による雇用へのインパクトに関する研究に従事してきた。近年では、生産ネットワークに関する研究に関心を向けている。American Economic Journal: Macroeconomics、Journal of International Economics、Journal of Financial Economicsなどに学術論文を発表している。ボストンカレッジで経済学博士号、ボッコーニ大学で国際経済法学博士号、ロンドンスクールオブエコノミクスで経済学修士号を取得している。
発表資料
Services Unbound: Digital Technology and Policy Reform in East Asia and Pacific(英語、PDF)