GRADEとは
Global Rapid post-disaster Damage Estimation (GRADE)(自然災害迅速被害推定)(GRADE)は、世界銀行が開発し、GFDRRが実施する遠隔のデスクベースの手法で、世界銀行加盟国が災害直後に経済的被害の影響を推定するのを支援します。
2015年のネパール地震後に初めて適用されて以来、54か国での災害対応で66回以上使用され、復旧計画の策定や資金の迅速な動員に役立っています。様々なモデルやデータを用いるこの手法は2週間ほどで作成され、平均してその後行われる現地での詳細な被害評価の90パーセントの精度を達成しています。GRADEから生成される情報は、被災国の財務省、防災機関、および世界銀行の国別管理ユニット(Country Management Unit)を含む意思決定者にとって災害による全体的な影響を理解するための信頼できるツールとなっています。GFDRR日本-世界銀行防災主流化プログラムは、GRADE手法の実施と研究開を支援しています。
GRADE 公開セミナーおよびワークショップ:実践的な協力の模索 (1月8日:東京、10日:京都)
GRADE 手法と世界銀行での活用方法を紹介する公開セミナーと技術ディスカッションが東京と京都で開催されます。セミナーでは、過去 10 年間の GRADE の経験を振り返り、また、世界銀行が被災国を支援するためにGRADEの成果をどのように活用しているかなどのトピックについても議論します。パネルディスカッションは、GRADEのイノベーションとコラボレーションの可能性についてのディスカッションで締めくくられます。公開セミナーの後は技術ディスカッション、GRADE 手法の技術的側面についての議論、イノベーションを通じて手法を強化する機会についてブレインストーミングを行い、GRADE をスケールアップするため皆様とのコラボレーションの可能性を探る機会とできれば幸いです。皆様のご参加をお待ちしております。
GRADEの採用しているアプローチを説明した冊子がこちらからダウンロードいただけます。
公開セミナーおよびワークショップ(東京)
2025年1月8日(水)
午後3時30分~午後5時15分(第1部公開セミナー)
午後5時30分~午後6時15分(第2部GRADE テクニカルワークショップ)
プログラム(仮)
第1部 公開セミナー
開会挨拶(10分)
ミン ジャン
局長、都市・防災・強靭性・土地グローバル局、世界銀行
津田尊弘
財務省国際局開発機関課 課長
基調講演 (15分)
災害レジリエンスのための市場、国家、コミュニティのメカニズム(Market, State, and Community Mechanisms for Disaster Resilience)
澤田康幸
東京大学大学院 経済学研究科 教授
講演1(30分)
自然災害迅速被害推定(GRADE)のレビュー(2015-2024年) – 開発途上国における災害後の迅速被害推定の最前線。
ラシュミン・グナセケラ
ジェームズ・ダニエル
アントニオス・ポモニス
世界銀行 GFDRR GRADE チーム
講演2(30分)
気候適応策としての治水投資による貧困と格差の削減
川崎昭如
東京大学未来ビジョン研究センター教授
パネルディスカッション(20分)
コラボレーションを通じたGRADE進化の可能性 - 機会と課題
澤田康幸
東京大学大学院 経済学研究科 教授
小池俊雄
国立研究開発法人土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)センター長、教授
アレクサンダー・ピュイ
マーシュ、気候変動と持続性, シニアバイスプレジデント
ハリエット・ストーン
世界銀行 GFDRR GRADE チーム
(ファシリテーター)ニルス・ホルム・ニルセン
世界銀行防災グローバルファシリティ(GFDRR)マネージャー
(敬称略)
第2部 GRADE テクニカルワークショップ
パネルディスカッションに続き、GRADEテクニカルワークショップを開催、より技術的な観点から、ご参加の皆様とコラボレーションの可能性についての議論を行います。
関連項目
世界銀行GFDRR東京防災ハブ 第24回防災セミナー リスクからレジリエンスへ:世界銀行における自然災害迅速被害推定(GRADE)の成果、イノベーションと今後の展開 Global Rapid post-disaster Damage Estimation (GRADE) 公開セミナー、ワークショップ(京都開催)
2025年1月10日(金)午後4時~5時45分(第1部公開セミナー)、午後5時50分~6時30分(第2部GRADE テクニカルワークショップ)