世界銀行は2024年9 月11 日、新報告書「経済的距離の縮小:途上国における運輸コストを下げるための市場と場所の役割」(Shrinking Economic Distance: Understanding How Markets and Places Can Lower Transport Costs in Developing Countries)を発表しました。
過去数十年の間に運輸コストは低下していますが、世界経済の統合が完全に進んだわけではありません。途上国は、例えば低所得国から米国に輸出する場合、高所得国から輸出する場合に比べて費用が57%高いといったような、高い運輸価格と長い輸送時間という課題に直面しています。
人々と企業の間の経済的距離を縮小する、あるいは運輸価格と輸送時間などのコストを削減するということは、途上国の生産性の向上、雇用の創出、所得の上昇、食糧安全保障の強化、温室効果ガスの削減という観点で大変に有効です。そのためには、効率的で質の高い運輸インフラが求められます。
本報告書は、運輸コストが高価格のまま、輸送時間が長いまま、信頼性が低いまま停滞している原因について分析し、インパクトをもたらす改革を進めるために指針を提供しています。
今回のモーニングセミナー(第208回)は、本報告書をとりまとめたマティアス・ヘレーラ・ダッペ世界銀行上級エコノミスト、アイガ・ストッケンベルガ同上級運輸エコノミストとマチルデ・レブランド同上級エコノミストが、日本の皆様に向けてオンラインで本報告書の主なポイントをご紹介しました。
スピーカー
マティアス・ヘレーラ・ダッペ
世界銀行 上級エコノミスト
アイガ・ストッケンベルガ
世界銀行 上級運輸エコノミスト
マチルデ・レブランド
世界銀行 上級エコノミスト
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