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世界銀行の各地域担当チーフエコノミスト室では、毎年春と秋の2回、各地域の経済概況と展望をまとめた地域経済報告書を発表しています。このうち、ラテンアメリカ・カリブ海地域については2024年10月9日、「ラテンアメリカ・カリブ海地域経済報告2024年10月版―公正と成長のための富裕税」(Latin America and the Caribbean Economic Review, October 2024 edition – Taxing Wealth for Equity and Growth)を発表しました。同報告書では、同地域の2024年の成長率は従来の予測をわずかに上回る1.9%になるであろう、と指摘しています。2025年の地域成長率は、世界の全地域の中で最も低い2.6%になるとみられ、根強い構造的ボトルネックが浮き彫りになっています。
同地域が成長を加速させるには、現在の勢いに乗じる必要がある。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの決定は若干の安心材料になるとみられます。インフレ抑制もまた、同地域のマクロ経済運営が健全である中、前向きな展開です。ブラジルとペルーは2024年のインフレ目標達成に向け順調に進んでおり、その他の主要国も近く後を追うと見込まれています。
今回のモーニングセミナー(第199回)では、同報告書をとりまとめたウィリアム・マロニー世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミストがワシントンより日本の皆様に向け、同報告書の主なポイントをオンラインでご紹介します。使用言語は英語(日本語への通訳なし)です。
ウィリアム・マロニー
世界銀行 ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト
1990年から1997年まで、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教授(経済学)。その後世界銀行に入行し、2009年までラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト室リードエコノミスト、2009年から2014年まで開発経済総局(DEC)リードエコノミスト、世界銀行貿易・競争力担当チーフエコノミスト兼イノベーション・生産性グローバルリード、公正成長・金融・制度(EFI)担当チーフエコノミストを経て、現職。2011年から2014年までアンデス大学客員教授として、コロンビア政府のイノベーションと企業の改善のための取り組みにも従事。ハーバード大学で学士号を取得、コロンビアのアンデス大学で学び、カリフォルニア大学バークレー校で経済学博士号を取得。