世界銀行は2023年12月13日、新報告書「移民、市場、市長:アフリカのセカンダリーシティにおける雇用課題を乗り越える」(Migrants, Markets, and Mayors: Rising above the Employment Challenge in Africa’s Secondary Cities)を発表しました。
アフリカにおける移住と都市開発に関する研究は、主に大都市、および農村部から都市部への移住に焦点が当てられてきました。しかし、アフリカの都市中心部の 97 %は人口 30 万人未満であり、都市への移民のかなりの割合は他の都市地域からの移民です。移住をより深く理解し都市開発に活用するには、都市階層全体にわたる移住の流れと都市間移住者を組み込んだ、より全体的でダイナミックな視点が必要です。 同報告書では、人口統計データ、研究文献、主要な情報提供者へのインタビュー、実証研究に基づき、アフリカのセカンダリーシティにおける移民の都市部の労働市場での状況、都市の生産性への影響、市長が移民の可能性をどのように活用しうるかについて、4つの都市(エチオピアのジジガ、ウガンダのジンジャ、チュニジアのジャンドゥーバとケルアン)を取り上げて検討しています。
今回のモーニングセミナー(第186回)では、同報告書の共著者であるナンシー・ロザーノ・ガルシア世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域総局持続可能な開発担当主任エコノミストが、ワシントンよりオンラインで日本の皆様に向けてご紹介しました。
日時
2024年1月30日(火)午前8時~午前9時(日本時間)
スピーカー
世界銀行 ラテンアメリカ・カリブ海地域総局 持続可能な開発担当主任エコノミスト
経済政策・研究において20年以上の経験を有する。空間・領域開発グローバルソリューショングループの共同リード。2009年、世界銀行入行。全地域における調査分析業務の準備・実施に従事してきた。近年では、アフリカにおける都市の公害と競争力の関連性に関する研究、メキシコおよびコロンビアの不平等に関する研究、環境にやさしく包摂的な生産性キャパシティに向けた再定義に関する研究などを主導。持続可能な開発に関する課題の理解を改善し、行動のための優先項目を確定するための分析ツールの策定・実施にも携わった。イリノイ大学で応用経済学博士号、メリーランド大学およびコロンビアのロスアンデス大学で環境・農業・資源経済学修士号を取得。
当日の資料
Migrants, Markets, and Mayors Rising above the Employment Challenge in Africa’s Secondary Cities(英語、PDF)
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