世界銀行の各地域総局では半年に1度(春と秋)、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しています。このうち東アジア・太平洋地域総局は2023年10月1日、「東アジア・大洋州地域 半期経済報告書 2023年10月版:開発のためのサービス部門」(East Asia and the Pacific Economic Update, October 2023: Services for Development)を発表しました。
同報告書では、東アジア・太平洋地域の途上国は2023年も5%と高めの成長を続けるものの、2023年下期は減速し、2024年は4.5%になると予測しています。また、地域全体の今年の成長率は、その他すべての新興国・途上国の平均成長率の予測水準を上回るものの、以前の予測は下回るとしています。さらに、中国の2023年の成長率は5.1%となり、中国以外の域内諸国の成長率は4.6%に、太平洋島嶼国の成長率は、5.2%になると予測しています。
同報告書の特集はサービス部門についてであり、製造業主導型成長で知られる同地域において、サービス部門が果たす開発を牽引する役割が高まりつつあると分析しています。
今回のモーニングセミナー(第174回)では、同報告書の執筆を主導したエルギス・イスラマジ世界銀行東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト室上級エコノミストが、ワシントンより日本の皆様向けにライブストリーミングで同報告書の主なポイントをご紹介しました。
2023年10月12日(木)午前8時~午前9時(日本時間)
エルギス・イスラマジ
世界銀行 東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト
「東アジア・大洋州地域半期報告書」の執筆を主導。新興・途上国が直面する課題に関連する政策に焦点を当てた国際金融およびマクロ経済学に関する研究に従事してきた。ヴァッサー大学助教授を経て、2015年、世界銀行入行。開発経済総局(DEC)エコノミストを経て、2018年より現職。ジョージタウン大学で博士号を取得。
East Asia and the Pacific Economic Update, October 2023: Services for Development(英語、PDF)