世界銀行は2023年8月16日、新報告書「海藻養殖の新しい世界市場2023年版」(Global Seaweed New and Emerging Markets 2023)を発表しました。同報告書では、世界的に成長中の海藻養殖市場が2030年までに最大118億ドル規模に成長する可能性があるとしており、この試算には、海藻の植物組織に取り込んだ二酸化炭素の海底貯蔵、海洋の生物多様性保全、女性のための雇用創出、効果的なバリューチェーンの構築による効果が含まれています。
同報告書は、急成長が見込まれる海藻の新たな用途についてそのビジネス・チャンスを分析しており、海藻セクターが現在および将来にわたり潜在性を発揮できるよう、起業家、投資家、政策担当者に様々な視点から理解を促しています。現在、海藻養殖の大半は、食用または養殖魚類の餌料として使われていますが、将来的には、海藻を原料とする製品が繊維やプラスチックなどのセクターで化石燃料にとって代わり、炭素を隔離し、脆弱な沿岸コミュニティの収入源となる可能性があります。現在、市場は、養殖海藻の98%を生産するアジアの数カ国が独占していますが、大きな成長の機会は多くの地域に開かれています。
今回のモーニングセミナー(第173回)では、同報告書をとりまとめたハリソン・チャロ・カリサ世界銀行上級漁業専門官とクリストファー・イアン・ブレット世界銀行農業グローバルプラクティス主任アグリビジネス専門官が同報告書の主なポイントについて、ワシントンからオンラインで日本の皆様に向けてご紹介しました。
日時
2023年10月6日(金)午前8時~午前9時(日本時間)
スピーカー
ハリソン・チャロ・カリサ
世界銀行 上級漁業専門官
クリストファー・イアン・ブレット
世界銀行 農業グローバルプラクティス 主任アグリビジネス専門官
発表資料
Global Seaweed New And Emerging Markets Report 2023(英語、PDF)
Global Seaweed New And Emerging Markets Report 2023 Executive Summary(英語、PDF)