世界銀行の各地域総局では半年に1度(春と秋)、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しています。このうち、南アジア地域総局については「南アジア経済報告(SAEF)2022年10月版(South Asia Economic Focus "Coping with Shocks: Migration and the Road to Resilience" )」を、2022年10月6日に発表しました。
コロナ危機の長引く傷跡に、スリランカの経済危機、パキスタンの壊滅的洪水、グローバル経済の失速、ウクライナでの戦争の影響などいくつもの衝撃が加わり、南アジア地域は現在これまでになく厳しい状況に置かれています。同報告書では、域内の成長率が低迷する中、各国にとって強靱性強化の必要性が高まっていると指摘しています。同報告書では、地域の2022年の平均成長率を6月時点から1%ポイント下方修正し、5.8%と予測しました。域内諸国の大半がコロナによる低迷から回復しつつあった2021年の成長率は7.8%でした。
今回のモーニングセミナー(第148 回)では、同報告書の執筆を主導したゾー・レイユ・シェ世界銀行 南アジア地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト、ヴァレリエ・マーサー=ブラックマン同上級エコノミストとジーン・ナレ・リー同上級エコノミストが、ワシントンより日本の皆様向けにライブストリーミングで同報告書の主なポイントをご紹介しました。
日時
2022年10月18日(火)午前8時~午前9時(日本時間)
スピーカー
ゾー・レイユ・シェ
世界銀行 南アジア地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト
「南アジア経済報告(SAEF)」はじめ、南アジア地域のマクロ経済に関する分析業務に従事している。2021年、世界銀行入行。それ以前は、アトランタ連邦銀行のリサーチエコノミスト及びアシスタントアドバイザー。ミネソタ大学で経済学博士号、ウィリアムカレッジで経済学・数学学士号を取得。Journal of Monetary Economics、European Economic Reviewなどの査読付き学術誌に論文を発表している。
ヴァレリエ・マーサー=ブラックマン
世界銀行 南アジア地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト
南アジアに関する政策関連および地域トレンドについての研究に従事。近年では、多様化、サービスにおけるFDI生産性、グローバルバリューチェーンに関する論文を発表。経済成長の要因、一次産品輸出国を中心に途上国における投資・財政に関する研究に従事してきた。世界銀行入行前は、アジア開発銀行でマクロエコミストとして、またそれ以前は米州開発銀行のカリブ海地域局に勤務、国際通貨基金ではラテンアメリカに関する業務に従事していた。ペンシルバニア大学で経済学博士号、イエール大学で学士号取得。
ジーン・ナレ・リー
世界銀行 南アジア地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト
ハーバード大学で経済学博士号、物理学学士号を取得。研究分野は、開発経済や政策の実験研究・非実験研究など多岐にわたる。American Law and Economics Review、American Economic Review、American Economic Review Papers and Proceedings issue、Journal of International Trade and Economic Development and Health Economicsに論文が掲載されており、American Economic Journal、Applied Economicsに収録予定。ケニア、ザンビア、バングラデシュ、ウガンダ、ベトナム、インドネシア、スリランカ、マラウィ、ブルキナファソで業務・調査研究の経験を有し、インドとパキスタンでも新たな活動を展開している。
プレゼンテーション資料
Coping with Shocks: Migration and the Road to Resilience (英語、PDF)
※10月18日セミナー終了後改訂
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イベント詳細
- 日時: 2022年10月18日(火)午前8時~午前9時(日本時間)
- 言語: 英語(日本語への通訳なし)
- お問合せ: 世界銀行東京事務所・大森 TEL: 03-3597-6650
- komori@worldbankgroup.org