現在、世界各地の都市において高齢化は避けては通れない問題となっています。歴史上初めて、65歳以上の人口が5歳未満の子供の数を上回り、2050年には6人に1人が65歳以上となり、都市化率は20%以上(ほとんどの国では50%以上)になると予想されています。したがって、今後30年間で都市化と高齢化が同時に進み、都市計画やまちづくりに大きな影響が出ると考えられています。そのため、政策立案者は高齢化に対応した将来の都市計画・設計を考慮し、戦略的に投資することが極めて重要となります。
このような背景から、世界銀行はこのたび「高齢化に備えた包摂的なまちづくり:Age-Ready Citiesとは?」と題した報告書を刊行しました。この報告書は、都市が高齢化に備えるための建設的なロードマップを提供することを目的としています。特に、ユニバーサルデザイン、住宅ソリューション、多世代公共空間の創出、モビリティの向上、テクノロジーの活用、空間と立地の適正化といった6つの重点分野に関するロードマップを示し、政策立案者が高齢化に備えた柔軟で、生産性が高く、社会包摂性に優れたまちづくりに取り組むように勧めています。
この報告書の刊行を記念して、東京開発ラーニングセンター(TDLC)は、「高齢化に備えた包摂的なまちづくり」について議論するイベントを開催しました。イベントでは、国内外の先駆的な都市の事例を学びながら、経済的・社会的に普遍的な利益をもたらし、どの年齢層にとってもより良い暮らしにつながるまちづくりについて議論しました。既に高齢化が進んでいる国や、今後高齢化が進む国にも、高齢化に対応した都市計画のあり方を考える機会を提供しました。
【録画】
https://www.youtube.com/watch?v=UqDzfUQTUUM
(マイトレイ・ボルディア・ダス 世界銀行 都市・防災・強靭性・土地グローバル・プラクティス プラクティス・マネージャー)
https://www.youtube.com/watch?v=7TisWJ2NkAE
(黒岩 祐治 神奈川県 知事)
https://www.youtube.com/watch?v=xAz1nYXeY6A
(荒瀬 泰子 福岡市 副市長)