世界銀行の各地域総局では半年に1度(春と秋)、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しています。このうちラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト室は2022年4月7日、「ラテンアメリカ・カリブ海地域経済報告:確かな回復に向け、グリーン成長の機会をつかむ」を発表しました。
同報告書では、ラテンアメリカ・カリブ海地域諸国は、コロナ危機からの回復軌道に乗っているものの、危機の傷跡は深く、より力強く包摂的で持続可能な成長の必要性がこれまでになく差し迫っている、と指摘しています。域内諸国の大半がコロナ危機によるマイナス成長から立ち直り、2021年の地域全体のGDP成長率は6.9%に回復し、今年は2.3%、2023年はさらに2.2%が見込まれています。いずれも控えめな予測とは言え、同地域のGDPが世界で最も低い中で、コロナウイルスの新たな変異株出現の可能性、インフレ懸念の台頭、ヨーロッパでの戦争が世界の回復を妨げるなど、同地期の先行きは極めて不透明であり、事実、地域の成長予測はロシアによるウクライナ侵攻後に0.4%下方修正されました。
今回のモーニングセミナー(第138回)では、同報告書をとりまとめたウィリアム・マロニー世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミストが同報告書の主なポイントを、日本の皆様に向けてオンラインでご説明しました。
日時
2022年4月27日(水)午前8時~午前9時(日本時間)
スピーカー
世界銀行 ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト
1990年から1997年まで、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教授(経済学)。その後世界銀行に入行し、2009年までラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト室リードエコノミスト、2009年から2014年まで開発経済総局(DEC)リードエコノミスト、世界銀行貿易・競争力担当チーフエコノミスト兼イノベーション・生産性グローバルリード、公正成長・金融・制度(EFI)担当チーフエコノミストを経て、現職。2011年から2014年までアンデス大学客員教授として、コロンビア政府のイノベーションと企業の改善のための取り組みにも従事。ハーバード大学で学士号を取得、コロンビアのアンデス大学で学び、カリフォルニア大学バークレー校で経済学博士号を取得。
発表資料
Consolidating the Recovery: Seizing Green Growth Opportunities(英語、PDF)
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