世界の最貧困層の所得拡大と資産形成を図る経済的包摂プログラムが75カ国で増えており、約2,000万の貧困・脆弱世帯で約9,200万人が受益している。世界の最貧困層が7億人以上に上るという厳しい状況の中、プログラムの数が20年ぶりに増加傾向にあります。政府、二国間、多国間、非政府の各組織や研究機関、民間セクターなどの幅広い協力関係を推進する「経済的包摂パートナーシップ」(Partnership for Economic Inclusion: PEI)がとりまとめた新報告書「経済的包摂の現状(SEI)報告書2021:支援拡充の可能性」(The State of Economic Inclusion 2021: The Potential to Scale)は、経済的包摂プログラムは通常、現金給付や現物給付、技能訓練、技術指導、金融アクセス、市場との結びつき支援等を組み合わせて実施され、多くの国で政府による大規模な貧困削減戦略の手段として急速に重要性を増していると指摘しています。また、この傾向は、紛争や気候変動、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による打撃を受けた地域を中心に、今後も続くと考えられています。
今回のモーニングセミナー(第95回)では、コリン・アンドリュース世界銀行経済的包摂パートナーシップ(PEI)担当プログラムマネージャーおよびウーゴ・ブロウセット世界銀行同社会的保護専門官がワシントンより、同報告書の主なポイントを日本の皆様にオンラインでご紹介しました。
日時
2021年3月12日(金)午前8時~9時
スピーカー
世界銀行 経済的包摂パートナーシップ(PEI)担当プログラムマネージャー
アフリカ、南アジアおよびグローバルな政策レベルにおける社会的保護セクターで15年以上の経験を有する。ソーシャルセイフティーネットのデザイン、サービスデリバリー、仕事およびその農業・教育・保健セクターとの関係性などに従事してきた。世界銀行入行以前は、国連、コンサーン・ワールドワイド、欧州委員会にて勤務していた。
世界銀行 経済的包摂パートナーシップ 社会的保護専門官
セーフティネット、現金給付プログラム、デリバリーシステムに関して10年以上の経験を有する。シェラキューズ大学で公共政策修士号を取得。
当日の資料: THE STATE OF ECONOMIC INCLUSION 2021 - The Potential to Scale(英語、PDF)
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