世界銀行は2020年11月16日、新報告書「持続可能な開発目標(SDGs)アトラス2020 年版」(Atlas of Sustainable Development Goals 2020)をウェブ版として発表しました。同アトラスは2017年版、2018年版に続く最新版です。世界銀行グループの主要データ集である「世界開発指標」(WDI: World Development Indicators) に収録された最新データを使い、2015年に国連総会で採択された2030年までの17の達成目標「持続可能な開発目標(SDGs)」の進捗状況を、インタラクティブな語りかけと創造性に富んだデータ視覚化を通じて分かりやすく説明しています。
同アトラスは、世界銀行のテーマ別専門家、データ科学者、統計担当者に加え、データ視覚化デザイナーで構成されるチームが、その見識と専門知識を駆使してとりまとめています。同アトラスは語りかけのアプローチを用い、各ゴールの中の特定のターゲットについて掘り下げ、SDGs達成に向けた傾向を明らかにするとともに、進捗状況の測定方法についても、いくつかのゴールを例に、コンセプトを説明しています。さらに、データが確保されている場合には、新型コロナウイルス感染症の世界的流行がSDGsや傾向にどういったインパクトをもたらすかについて明らかにしています。
今回のモーニングセミナー(第91回)では、同アトラスとりまとめを主導したウマール・セラジュディン世界銀行開発データグループ・マネージャー、フロリナ・ピリア世界銀行開発データグループ統計専門官およびディビアンシ・ワドワ世界銀行開発データグループ ジュニアデータサイエンティストが、ワシントンより日本の皆様向けにライブストリーミングで同アトラスの主なポイントをご紹介しました。
日時
2021年2月12日(金)午前8時~午前9時
スピーカー
世界銀行開発データグループ・マネージャー 世界銀行のオープンデータ・イニシアティブを主導し、世界開発指標(WDI)を統括している。セラジュディンがマネージャーを務める世界銀行開発データグループでは、貧困に関する統計(PovcalNet)、世界統合貿易ソリューション(WITS)、ミクロデータ・ライブラリー(Microdata Library)、オープンデータ・カタログ(Open Data Catalogue)を運営している。世界銀行における持続可能な開発目標(SDGs)のモニタリングを統括しており、同グループでは SDGsアトラス2020年版の発行も担当した。世界銀行では、中東・北アフリカ地域総局および南アジア地域総局で貧困エコノミストとして従事し、ヨルダンおよびイエメンでの貧困分析・政策策定を主導した。テキサス大学オースティン校で博士号を取得。貧困、公平性、社会的保護に関する論文を多く発表している。 |
世界銀行 開発データグループ 統計専門官 データの質・普及、民間セクター開発、環境、公共政策などに従事。ジョンズ・ホプキンズ大学で国際経済学修士号、ブリンマーカレッジで経済学・心理学学士号を取得。 |
世界銀行 開発データグループ ジュニアデータサイエンティスト 世界開発指標(WDI)データベースに従事。世界銀行入行前は、ワシントンDCの国際開発シンクタンクであるグローバル開発センター(CGD)リサーチアシスタントとして、民間セクター開発および不正な資金の流れに関する研究に従事し、データ可視化の取り組みを立ち上げた。インド出身。デリー大学で政治学学士号、ジョージタウン大学で公共政策学修士号を取得。 |
当日の資料: Atlas of Sustainable Development Goals 2020: From World Bank Development Indicators(英語、PDF)