急速に拡大する新型コロナウィルス感染症危機にあたり、人々の命の喪失や所得の消失に加え、基幹的なサービス提供の中断、食料価格の上昇、サプライチェーンの分断によって人的資本が危機にさらされています。貧困の拡大、ストレス、栄養不足、様々な感染症の拡大、母子死亡率減少にむけた取り組みの減速なども顕在化しています。緊急かつ断固とした、総合的な対応を進めない限り、人的資本のためのこれまでの努力が重大な脅威に直面し続けていまいます。世界銀行が2020年5月に発表した新報告書「人々と経済を守る:新型コロナウィルス感染症に対する総合的な対応」(Protecting People and Economies : Integrated Policy Responses to COVID-19)では、人的資本に焦点を当て、発生しうる最悪の影響を軽減させる対策について検討しています。
今回のモーニングセミナー(第70回)では、同報告書の作成を担当したハナ・ブリクシ世界銀行人的資本プロジェクト担当マネージャー、ローラ・ローリングス同主任エコノミスト、ラメシュ・ゴヴィンダラジ主任保健専門官が、ワシントンより日本の皆様向けにライブストリーミングで同報告書の主なポイントをご説明しました。
日時
2020年7月3日(金)午前8時~午前9時
スピーカー
世界銀行 人的資本プロジェクト マネージャー 世界銀行の人的資本プロジェクトのマネージャーとして、平等拡大と経済成長のための人々へのより多く、よりよい投資の拡大に向けたグローバルな取り組みを主導している。これまで人間開発、ガバナンス、マクロ経済・財政政策に携わってきた。中東・北アフリカ地域 社会的保護・雇用担当プラクティスマネージャー、サービスデリバリー担当グローバルリード、中東・北アフリカ地域総局および東アジア・大洋州地域総局主任エコノミストなどを歴任。2001年から2010年まで中国に駐在し、世界保健機関(WHO)のセクターマネージャー、国際連合児童基金(ユニセフ)社会政策チーフを務めた。Trust, Voice and Incentives on governance and service delivery and Government at Risk on contingent liabilities and fiscal risk management (Oxford University Press)など著作多数。 |
世界銀行 人的資本プロジェクト 主任エコノミスト 平等拡大と経済成長のための人々へのより多く、よりよい投資の拡大に向けたグローバルな取り組みを進める世界銀行人的資本プロジェクトの主任エコノミスト。幼年期開発、アフリカ地域における取り組みを主導。これまで現金給付、公共事業、社会基金、幼年期開発、行動インセンティブ、社会的保護システムなどのプロジェクトおよび調査研究に従事してきた。アフリカ人的資本プロジェクトおよび世界銀行社会的保護・労働セクター戦略2012-2022担当タスクチームリーダー、戦略的インパクト評価基金(SIEF)担当マネージャー、中央アメリカ担当人間開発セクターリーダーを歴任。「インパクト評価の実践」(Impact Evaluation in Practice)など、評価と人間開発に関する著作多数。ジョージタウン大学グルーバル人間開発プログラム客員教授。 |
世界銀行 保健・栄養・人口グローバルプラクティス 主任保健専門官
デリー大学で眼科医師(MD)、ハーバード大学で保健政策・管理学修士号および国際保健経済政策学博士号を取得。インドで医師として、カリフォルニアで国際NGOで、ニュージャージーで医薬品研究、ハーバード大学でシニアリサーチャーとして、25年以上にわたり開発に携わってきた。世界銀行入行前は、アフリカ、南アジア、東アジアの現場に従事。保健システム、ヘルスケア金融の専門家である以外に、世界銀行における数少ない医薬品専門家の一人でもある。医薬品、保健、開発分野での査読付き論文・著作も多く、いくつかの米国の大学で客員教授として教鞭を執っている。 |
当日の資料:Protecting People & Economies: Integrated Policy Response to COVID 19(英語、PDF)
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