世界銀行では、主要一次産品46品目の価格データ、市場分析、見通しを作成しており、報告書「一次産品市場の見通し」(Commodity Markets Outlook)を毎年2回(4月と10月)、「一次産品価格データ(ピンクシート)」(World Bank Commodities Price Data: The Pink Sheet) を毎月第2営業日に発行しています。最新の「一次産品市場の見通し」報告書については、2020年4月23日に発表しました。
同報告書では、新型コロナウイルス感染症の世界的流行がもたらした世界規模の経済的ショックにより、ほとんどの一次産品価格が低下しているとし、2020年通年では大幅な下落となる見通しを示しています。経済活動の突然の停止と世界規模で予測される深刻な景気後退が最も大きな影響を与えるのは、エネルギーと金属であり、価格の下落幅が最も大きかったのは、石油を含む運輸セクターの一次産品とし、ほとんどの農産物は見通しに大きな影響はないとしつつも、サプライチェーンが混乱し、政府が輸出制限や備蓄措置を講じることにより、食料安全保障が脅かされる可能性があると指摘しています。
今回のモーニングセミナー(第60回)では、同報告書を含め、世界銀行の一次産品価格・市場に関する分析のとりまとめを担当するジョン・バフェス世界銀行マクロ経済・貿易・投資グローバルプラクティス見通しグループ上級農業エコノミストが、テレビ会議でワシントンより日本の皆様向けにライブストリーミングで同報告書の主なポイントをご紹介しました。
スピーカー
主要一次産品46品目の価格データ、市場分析、見通しを取りまとめて半年に1回発行する「一次産品市場の見通し」(Commodity Markets Outlook)をはじめ、世界銀行による一次産品市場や価格データに関する分析を統括している。1993年に世界銀行に入行し、これまでラテンアメリカ、南アジア、東アフリカ、評価、研究ユニットに従事し、経済開発、農業経済、資源経済、応用エコノメトリックスなど多岐にわたる分野で学術論文や共著を発表してきた。エグゼクティブMBAコースにて一次産品市場に関する応用エコノメトリックスを教えている。アテネ大学にて経済学学士号(1983年)、ジョージア大学にて農業経済学修士号(1986年)、メリーランド大学にて農業・農村経済学博士号(1992年)を取得している。 |
当日の資料(5月1日更新):Commodity Markets in the context of COVID-19: Developments, Outlook, and Risks(英語、PDF)
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世界銀行モーニングセミナーシリーズ
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一次産品市場の見通しウェブサイト(英語)