世界銀行では生産性に関する研究プロジェクトを進めており、様々な報告書を刊行しています。2017年10月にはその第1弾の報告書「イノベーション・パラドックス:途上国の能力、後れを取る技術活用」を発表し、2018年3月に東京で紹介セミナーを開催しました。また、2018年10月には第2弾の報告書「生産性を再考する:分析と政策のパラダイム変化」を発表し、2019年1月に東京で紹介セミナーを開催しました。さらに、2018年11月には第3弾の報告書「急成長する企業:ファクト、フィクション、新興経済のための政策オプション」を発表し、2019年10月に東京で紹介セミナーを開催しました。
2019年9月に第4弾の報告書「繁栄の実現:農業におけるテクノロジーと生産性向上」(Harvesting Prosperity: Technology and Productivity Growth in Agriculture)を発表しました。同報告書では、途上国が貧困を撲滅し、高まる食糧需要に対応して気候変動の悪影響に対処するためには、農業分野のイノベーションと農民によるテクノロジー活用を飛躍的に拡大する必要があると指摘しています。ここ数十年間、農業生産性の伸びは停滞しており、この傾向は、特に世界の貧困層の大部分を抱える南アジアとアフリカで顕著に見られ、農民の生計を向上させる新たな発想が求められます。同報告書では、新しい知識を生み出し、確実に浸透させるための投資を強化することが、農業生産性、ひいては所得の飛躍的向上につながると述べています。
この度、同報告書の筆頭著者であるウィリアム・マロニー世界銀行公正な成長・金融・制度(EFI)担当チーフエコノミストの来日の機会を捉え、同報告書の主なポイントをご紹介するセミナーを開催しました。
プログラム
挨拶
宮崎成人
世界銀行 駐日特別代表
講演
ウィリアム・マロニー
世界銀行 公正成長・金融・制度(EFI)担当チーフエコノミスト
当日の資料:Harvesting Prosperity: Technology and Productivity Growth in Agriculture (PDF)
討論
鈴木綾
東京大学 大学院新領域創生科学研究科 国際協力学専攻 准教授
当日の資料: Comments on Harvesting Prosperity: Technology & Productivity Growth in Agriculture (PDF)
講演者紹介
世界銀行 公正成長・金融・制度(EFI)担当チーフエコノミスト 1990年から1997年まで、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教授(経済学)。その後世界銀行に入行し、2009年までラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト室リードエコノミスト、2009年から2014年まで開発経済総局(DEC)リードエコノミスト、世界銀行貿易・競争力担当チーフエコノミスト兼イノベーション・生産性グローバルリードを経て、現職。2011年から2014年までアンデス大学客員教授として、コロンビア政府のイノベーションと企業の改善のための取り組みにも従事。ハーバード大学で学士号を取得、コロンビアのアンデス大学で学び、カリフォルニア大学バークレー校で経済学博士号を取得。世界銀行 公正成長・金融・制度(EFI)担当チーフエコノミスト 公正成長・金融・制度(EFI: Equitable Growth, Finance, and Institutions)プラクティスグループ |
関連
報告書「繁栄の実現:農業におけるテクノロジーと生産性向上」(英語)
報告書「急成長する企業:ファクト、フィクション、新興経済のための政策オプション」(英語)
報告書「生産性を再考する:分析と政策のパラダイム変化」(英語)
報告書「イノベーション・パラドックス:途上国の能力、後れを取る技術活用」(英語)