世界銀行グループは、「2030年までの極度の貧困の撲滅」と「繁栄の共有の促進」の2つを目標として掲げています。今回のセミナーではまず、世界銀行グループに加盟する各国におけるこの2つの目標に向けた取り組み状況をとりまとめて半年に1回発表する「貧困・平等ブリーフ」(Poverty and Equity Brief)、マクロ的視点で見た貧困の概況をまとめた「マクロ貧困見通し」(Macro Poverty Outlook)、2年に1回、2つの目標に進捗状況とテーマ別に深堀り分析を行う「貧困と繁栄の共有報告」(Poverty and Shared Prosperity Report)をご紹介しました。次に、迅速にモニタリングを行うための世帯調査ツールであるSWIFT(Survey of Well-being via Instant and Frequent Tracking、瞬間・高頻度追跡によるウェルビーイング調査)をご紹介しました。世界銀行が開発したSWIFTは、貧困の撲滅および繁栄の共有の促進のためのプロジェクトの進捗状況のモニタリングを、機械学習を活用して低価格かつタイムリーに実施するためのアプリケーションで、これまで50か国以上での92件の調査に活用されています。
またセミナーに先立ち、開発経済学の専門家・研究者とのラウンドテーブルを開催し、機械学習を活用したモニタリング手法の特徴、難点とその克服方法などのテクニカルな側面に関する議論を行いました。
スピーカー
2002年、世界銀行入行。南アジア地域総局貧困削減・経済管理セクター局エコノミスト、同シニアエコノミスト、貧困グローバルプラクティス・シニアエコノミストを経て現職。ボストン大学にて経済学博士号を取得。貧困の測定・予測、脆弱性及び社会的保護に関する融資業務および調査研究に従事。世界銀行グループが2つの目標(「貧困の撲滅」と「繁栄の共有の促進」)を策定した際の技術ワーキンググループのメンバーでもある。 |
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当日の資料: Global Poverty Monitoring: Introduction to World Bank’s tool and products for poverty monitoring (PDF)
<参考>ラウンドテーブル使用資料:Machine Learning for monitoring the twin goals – Pitfalls and Solutions (PDF)