世界銀行では2019年3月1日、新報告書「サブサハラ・アフリカの電化促進:安定供給による利用拡大と経済成長のための補完的要因」(Electricity Access in Sub-Saharan Africa: Uptake, Reliability, and Complementary Factors for Economic Impact)を発表しました。サブサハラ・アフリカ地域の電化は、各国の所得レベルや送電網の現況を踏まると、本来あるべき姿からかなり低い水準にあり、電化の遅れは近代的な経済活動、公共サービス、生活の質、教育・農業・金融セクターなどでの新しい技術の導入に対する阻害要因となっています。45%という電化率は他の地域と比べても、また87%という世界全体の電化率と比べても低いだけでなく、人口増加が経済成長よりも早いペースで進むにつれて、電力へのアクセスのない生活を送る人口も増加しています。同報告書では、電力の安定供給による利用拡大、電化がもたらす経済成長のための補完的要因などを分析し、求められる政策について検討しています。
今回のモーニングセミナー(第37回)は、世界銀行グループTICADセミナーシリーズ第15回として、同報告書の共著者であるモーサ・ブリンポ世界銀行アフリカ地域担当チーフエコノミスト室上級エコノミストがワシントンよりテレビ会議で同報告書の主なポイントをご説明し、皆様のご質問にお答えしました。
スピーカー
現職以前は、オクラホマ大学助教授(経済学・国際学)。アフリカ経済に関する多様なテーマを研究分析対象としており、特にサブサハラ・アフリカ地域の電化、アフリカにおける経済成長のための破壊的技術の役割、アフリカ地域における人的資本に関する分析業務に従事している。ニューヨーク大学で経済学博士号を取得。スタンフォード大学の経済政策研究所(SIEPR)にポスドク・フェロ―として所属していた。トーゴのシンクタンクである研究・世論調査センター(CROP)を設立し、2011年から2015年まで代表を務めた。 |
当日の資料: Electricity Access in Sub-Saharan Africa (PDF)
世界銀行グループ TICADセミナーシリーズ
アフリカ開発会議(TICAD)はアフリカの開発をテーマとする国際会議で、1993年以降日本政府が主催し、世界銀行も共催しています。第1回から第3回は東京で、第4回と第5回は横浜で開催され、3年に一度の開催となって2016年8月27日~28日、第6回が初めてアフリカのケニアで開催されました。世界銀行東京事務所では、TICADとアフリカ各国の課題と展望に関するTICADセミナーシリーズを2015年10月より14回にわたり開催しましたが、2019年8年に予定される次回のTICADに向け、モーニングセミナーの時間枠で特別に主にアフリカ地域におけるビジネスに従事されている企業の皆様向けに開催します。
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