世界銀行は2019年1月、新報告書「開発と気候変動対策のための財政政策」(Fiscal Policies for Development and Climate Action) を発表しました。新報告書では、開発・環境経済学における20年以上の研究成果を踏まえ、人々の生活を向上させるのと当時に気候変動対策としての緩和(mitigation)と適応(adaptation)を進めるには、慎重に策定された財政政策が果たす役割が大きいものの、途上国の多くでは依然として環境対策・政策が担当省庁の管轄下のものと捉えられたままで、気候変動の現状に対処できるような財政政策が策定されていないと指摘しています。そのうえで、環境分野の課税にシフトする改革の有用性や気候変動への強靭性を高める財政政策の在り方について検討しています。
今回のモーニングセミナー(第26回)では、新報告書の編者として執筆担当チームを主導したミリア・ピガート世界銀行マクロ経済・貿易・投資グローバルプラクティス主任エコノミスト兼気候変動リードがワシントンよりテレビ会議で新報告書の主なポイントをご紹介し、皆様からのご質問にお答えしました。
スピーカー
2016年より現職。それ以前は、マクロ経済・財政管理グローバルプラクティスのプラクティスマネージャー。アフリカ、カリブ海、中央アジア、東ヨーロッパ、中東、南アジア各地域での経済成長、気候変動、マクロ経済・財政・貿易政策に関するハイレベル政策対話及び60件以上の開発融資オペレーションを担当した。現在は、途上国の財務大臣向けの知識共有・助言を行うキャパシティ構築のためのフォーラムである「気候変動対策ピアエクスチェンジ」プログラムの共同責任者。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学修士号、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで経済学博士号を取得。 |
当日の資料:Fiscal Policies for Development and Climate Action (PDF)
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