世界銀行の各地域総局では半年に1度(春と秋)、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しており、東アジア・大洋州地域総局については10月4日に「東アジア・大洋州地域 半期経済報告書:不確実性を乗り切るためには」(East Asia and Pacific Economic Update, October 2018 : Navigating Uncertainty)を発表しました。同報告書では、取り巻く環境が良好とは言えない中でも、東アジア・大洋州地域の途上国の成長見通しは依然として明るいものの、域内途上国の成長率は、中国の成長率が経済のリバランス継続に伴い減速を続けるため、2018年は2017年を下回る6.3%になると分析しています。また、この数カ月間、貿易摩擦、米国の利上げ、ドル高、多くの新興国に見られる金融市場の変動などが重なり、同地域の成長見通しをめぐる不確実性が増し、ミャンマー、フィリピン、ベトナムを中心に域内のインフレ率が上昇し始めていると指摘しています。
今回のモーニングセミナー(第20回)では、同報告書を取りまとめたスディール・シェッティ世界銀行東アジア・大洋州地域総局チーフエコノミストがワシントンよりテレビ会議で同報告書の主なポイントをご紹介し、皆様からのご質問にお答えしました。
スピーカー
世界銀行 東アジア・大洋州地域担当チーフエコノミスト 2014年まで東アジア・大洋州地域総局 貧困削減・経済管理(PREM)担当局長、それ以前は「世界開発報告2012:ジェンダーの平等と開発」執筆担当共同局長を務めた。それ以前は、アフリカ地域総局 貧困削減・経済管理(PREM)、貧困削減・経済管理(PREM)ネットワーク 貧困削減グループ担当マネージャー、アフリカ地域総局および東アジア・大洋州地域総局にてエコノミストとして従事。コーネル大学経済学博士号、インド経営大学院アフムダバード校にて経営学修士号(MBA)取得。1987年、ヤングプロフェッショナルとして世界銀行入行。それ以前はデューク大学助教授(公共政策学・経済学)。 |
当日の資料: Navigating Uncertainty (PDF)
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