世界銀行の各地域総局では半年に1度(春と秋)、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しており、アフリカ地域総局については「アフリカの鼓動:アフリカ経済動向分析2018年10月版(Africa’s Pulse: An Analysis of Issues Shaping Africa’s Economic Future – October 2019, Volume 18)」を発表しました。同報告書によると、サブサハラ・アフリカ地域の経済は、2015~16年の減速から未だ回復途中ではあるものの、その成長は予想以上に緩やかなものとなっており、同地域の平均成長率は2018年には2.7%と推定され、2017年の2.3%からわずかながらの増加を示しています。さらに、この低成長には、同地域に不利に働く外的環境が多少なりとも影響しており、金属および農産物の価格が貿易関税や需要見通しの低下への懸念から下落しているため、世界の貿易・産業活動は勢いを失っていると指摘し、2019年には原油価格の上昇が見込まれる一方、金属価格については、特に中国における需要不調の中で、依然として停滞する可能性があり、金融市場の圧力が新興市場において高まっており、ドル高が進む中、アフリカのドル建て債務への懸念も高まってきていると分析しています。
今回のモーニングセミナー(第19回)では、同報告書の筆頭執筆者であるセザール・カルデロン世界銀行アフリカ地域総局チーフエコノミスト室リード・エコノミストがワシントンよりテレビ会議で同報告書の主なポイントをご紹介し、皆様からのご質問にお答えしました。
スピーカー
世界銀行 アフリカ地域総局 チーフエコノミスト室 リード・エコノミスト 2005年、世界銀行入行。ラテンアメリカ・カリブ海地域総局チーフエコノミスト室、金融・民間セクター開発総局チーフエコノミスト室、世界開発報告(WDR)執筆担当室に勤務。世界金融開発報告(GFDR)2013年版、世界開発報告(WDR)2014年版の執筆担当チームの一員。オープンエコノミーのマクロ経済、成長と開発(特にインフラ開発と対外戦略の実質的インパクト)に従事。 ローチェスター大学より経済学修士号および経済学博士号取得。ペルー国籍。 |
当日の資料:Africa’s Pulse: An Analysis of Issues Shaping Africa’s Economic Future – October 2019, Volume 18(PDF)
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