世界銀行は今年6月12日、新報告書「ラテンアメリカ・カリブ海地域における都市の生産性の水準を引き上げる」(Raising the Bar for Productive Cities in Latin America and the Caribbean)を発表しました。同報告書では、ラテンアメリカ・カリブ海地域では、成長と開発の促進のために都市が果たす役割が大きく、そのために都市の生産性の向上を支援する政策が重要と分析しています。特に同地域では、全人口の4分の3にあたる4億3300万人が域内の7,197もの都市に居住しており、急速に都市化が進んでいることを踏まえると、「都市の潜在性を最大限に引き出すためには、インフラ、首都圏のガバナンス、都市計画、教育をはじめ人的資本への投資の強化が求められます。同報告書では、域内の都市の生産性のパフォーマンスは世界的な平均レベルに達しているものの、北米や西ヨーロッパと比較するとまだ遅れをとっており、域内各国の経済成長の加速化のためには、生産性の水準を引き上げる必要があると指摘しています。
今回のモーニングセミナー(第17回)では、同報告書の著者の一人であるマリア・マルタ・フェレイラ世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト室上級エコノミストがワシントンよりテレビ会議で同報告書の主なポイントをご紹介し、皆様からのご質問にお答えしました。
スピーカー
特に大規模な改革の効果を中心に教育経済に関する研究に従事。米国の初等・中等教育の大規模政策の効果について論文多数。世界銀行では、ラテンアメリカ地域における高等教育に関する総合的な研究に従事。同地域の入学・財政政策の効果、コロンビアの高等教育市場の最近の展開、初等・中等教育の教員市場、幼児教育にもついても研究を行っている。世界銀行入行前は、カーネギーメロン大学ビジネススクールで教鞭をとっていた。ウィスコンシン大学マジソン校にて経済学博士号を取得。 |
当日の資料:RAISING THE BAR For Productive Cities in Latin America and the Caribbean (PDF)
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