世界銀行では、ヴィクトリア・クワクワ東アジア・大洋州地域担当副総裁の来日の機会を捉え、ビジネスセミナー「東アジア・大洋州地域の現況・展望とビジネス機会」を開催しました。
国内需要の高まりと世界経済の緩やかな回復を背景に、東アジア・大洋州地域の途上国は2016年に6.3%の成長を記録し、2017年は6.2%、2018年は6.1%と引き続き堅調な成長が見込まれています。同地域は、経済的な強靭性が比較的備わっているとは言え、生産性の伸び率鈍化の兆候が全域で見られており、その背景にあるのがインフラギャップの拡大です。世界銀行は、基礎的なサービスへのアクセス拡大に向けた支援を含め、民間セクター主導の成長、包摂性、機構変動、ガバナンスの4点を優先分野に掲げるとともに、ジェンダーや脆弱性といった分野横断型のテーマも世界銀行の取り組みの中心となっています。
今回はクワクワ副総裁に加え、同行して来日したエレン・ゴールドスタイン ミャンマー・カンボジア・ラオス担当局長とウスマン・ディオン ベトナム担当局長もスピーカーとして加わり、東アジア・大洋州地域の今後の展望と世界銀行の活動状況とともに、両局長が担当するミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナムの現況、世界銀行の活動状況と今後の支援計画も併せてご紹介しました。
プログラム
挨拶
宮崎成人 世界銀行グループ駐日特別代表
スピーカー
ヴィクトリア・クワクワ
世界銀行 東アジア・大洋州地域担当副総裁
当日の資料: East Asia Pacific Resional Update 2018 (PDF)
エレン・ゴールドスタイン
世界銀行 ミャンマー・カンボジア・ラオス担当局長
当日の資料: Myanmar-Cambodia-Lao PDR World Bank Priorities (PDF)
ウスマン・ディオン
世界銀行 ベトナム担当局長
※バート・ホフマン 世界銀行 中国・モンゴル・韓国担当局長につきまして、急遽スケジュールの都合により登壇できなくなりました。直前の変更となりまして申し訳ございません。
スピーカー紹介
ヴィクトリア・クワクワ 2016年4月より現職。東アジア・大洋州地域内の23か国において、300億ドルに上る融資、グラント、クレジット、信託基金のポートフォリオを統括。 次の5つを重点課題とし、同域内の戦略を指揮:1)インクルージョン・エンパワーメント、2)雇用と民間セクター主導の成長、3)ガバナンス、4)インフラと都市化および5)気候変動と災害リスク管理。分野横断的課題として、ジェンダー、脆弱性・紛争および貧困分析にも重点的に取り組む。現職の前はベトナム担当局長を務め、数十億ドル規模の貸付や、近刊の『ベトナム2035』報告書を含む革新的ナレッジプログラムを統括。同報告書はベトナム政府との共同報告書として、同国が高中所得国を目指すための策を論じた。それ以前は、ルワンダ担当マネジャーを2年間務め、社会保護、保健医療資金計画および農業生産性などのプログラム作りに携わった。2000年から2006年の間はリード・エコノミストとしてナイジェリアのアブジャにて国家レベルの分析プログラムを立ち上げ、石油収益金の効率性と透明性を確保するための助言を提供した。1989年にヤングプロフェッショナルとして世銀入行。貧困を取り上げた世界開発報告(WDR)2000/2001 執筆の中心メンバー。クイーンズ大学 (カナダ)にて経済学修士号および博士号を取得。ガーナ国籍。 |
エレン・ゴールドスタイン 2017年より現職。現職の前は、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニア共和国、モンテネグロおよびセルビアを含む西バルカン担当局長としてウィーンに駐在。それ以前はバングラデシュおよびネパール担当局長として政府や関係ステークホルダーとの政策対話をリードし、援助の効率化の推進に向け開発パートナーとの連携に取り組む。これら2か国においては50以上のプロジェクトに従事し、60億米ドル相当のIDAクレジットを統括。1985年にマクロエコノミストとして世銀に入行。マクロエコノミストおよび人間開発専門家として、西部・南部アフリカ、南アジア、中央ヨーロッパを担当し、カントリー・マネジャーとしてはブルキナファソおよびマケドニア共和国を担当。この他には世界銀行結果事務局(World Bank Results Secretariat)の創設マネジャーも担当。アフリカ開発銀行に3年間出向し、質保証・結果(Quality Assurance and Result)局の立ち上げと統括の経験も有す。ジョンズ・ホプキンズ大学にて公衆衛生学の、プリンストン大学にて公共学の修士号をそれぞれ取得。 |
ウスマン・ディオン 2016年9月より現職。20年以上にわたり、アフリカ、南アジア、ラテンアメリカ、東アジア・大洋州地域において、マルチセクター・国家レベルの水、都市・環境プログラムに従事。現職の前は、2014年よりフィリピンのマニラに駐在し、東アジア・大洋州地域の水プラクティス・マネージャーを担当。域内の各種水関連イニシアチブやプロジェクトの政策対話や実施を統括。それ以前の2012年から2014年の間は、フィリピンの持続可能な開発ユニットのセクター・マネジャー、リマ駐在のアンデス諸国(ボリビア、チリ、エクアドル、ペルー、ベネズエラ)担当セクター・リーダー、南アジア地域総局のリード水資源スペシャリスト、アフリカ地域総局の上級水資源スペシャリストなどを歴任。世銀入行前は、リヨン第3大学で水工学の講師を務め、水資源管理とインフラ分野の調査を指導。 |
関連
東アジア・太洋州地域報告書プレスリリース(2017年10月4日、英語)
東アジア・大洋州地域(英語)
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中国(英語)
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韓国(英語)
ベトナム(英語)