今年5月、持続可能な開発目標(SDGs)を達成する横断的な手段としての科学技術イノベーション(STI)の役割について議論する国連STIフォーラム2017がニューヨークで開催されました。世界銀行グループは、同フォーラムの討議内容に貢献し、SDGsのためのSTIの役割、グッドプラクティス、求められる戦略・政策などを議論するサイドイベントを2件、日本とともに共催しました。また、産業界、研究者、起業家など幅広いステークホルダーとの協業を深め、STIを活用することで開発効果を高めるための戦略検討に着手しています。この度、これらの取り組みを主導するクラウス・ティルメス世界銀行貿易・競争力グローバルプラクティス・ディレクターの来日の機会を捉え、セミナー「持続可能な開発目標(SDGs)のための科学技術イノベーション(STI):世界銀行グループの取り組み」を開催しました。
セミナーの冒頭、宮崎成人・世界銀行グループ駐日特別代表の挨拶の後、クラウス・ティルメスおよび金平直人・貿易・競争力グローバルプラクティス上級民間セクター専門官により、世界銀行グループが進めているSTI分野の取り組み状況や今後の展望、日本とのさらなるパートナーシップの可能性などについて基調報告を行いました。続いて、有本建夫・政策研究大学院大学(GRIPS)教授・科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター上級フェローより、日本におけるSDGsのためのSTIの取り組み状況を中心にコメントをいただきました。セミナー終了後、参加された皆様との間で名刺交換・ネットワーキングのための時間も設けました。
プログラム
挨拶
宮崎成人
世界銀行グループ駐日特別代表
報告
クラウス・ティルメス
世界銀行グループ 貿易・競争力グローバルプラクティス ディレクター
当日の資料: The World Bank Group’s Efforts on Science, Technology and Innovation (STI) for the SDGs (PDF)
討論
有本建男
政策研究大学院大学 教授 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 上席フェロー
報告者紹介
2014年7月より現職。世界銀行グループの貿易、イノベーション、技術、アントレプレナーシップなどの分野における取り組みを統括。戦略・業務グループを率い、特にアフリカ地域と中東地域における貿易・競争力グローバルプラクティスによる業務を取りまとめている。1991年、アフリカ地域総局エコノミストとして世界銀行入行。インフラストラクチャー民間参画、コーポレート戦略、独立評価グループ(IEG)、ナレッジの各部署にて管理職・顧問職を歴任。2010年から2014年まで、金融・民間セクター開発ネットワーク担当局長、2013年から2014年まで、金融・民間セクター開発ネットワーク担当副総裁代行。ハーバード大学にて開発経済学・公共セクター管理分野での公共行政学修士号、マンハイム大学にて経済学修士号を取得。ドイツ国籍。 |