世界銀行は昨年10月、初の年次報告書「貧困と繁栄の共有2016:格差の解消に向けて」(Poverty and Shared Prosperity 2016: Taking on Inequality)を発表しました。同報告書は、世界の貧困と繁栄の共有についての正確な推定値と動向について分析しており、2030年までに極度の貧困を撲滅するという国際目標を達成するためには、深刻な格差を是正することが不可欠な要素と指摘しています。世界銀行では2017年6月12日、同報告書の作成にあたり作業を統括したアナ・レヴェンガ世界銀行グループ副チーフエコノミストの来日の機会を捉え、同報告書の概要をご紹介するセミナーを開催しました。
プログラム
挨拶
塚越保祐 世界銀行グループ駐日特別代表
講演
アナ・レヴェンガ 世界銀行グループ副チーフエコノミスト
カルロス・シルヴァ 世界銀行貧困・平等グローバルプラクティス 副シニアディレクター・リードエコノミスト
当日の資料: Poverty and Shared Prosperity 2016: Taking on Inequality (PDF)
コメント
中野優子 筑波大学 准教授
当日の資料: Comments on Poverty and Shared Prosperity 2016 "Taking on Inequality" (PDF)
講演者紹介
26年間におよぶ世界銀行でのキャリア を通して東アジア・大洋州、中央アジア、ラテンアメリカ、中東・北アフリカなどの地域やOECD諸国を管轄する各種管理職に従事し、現職の前は欧州・中央アジア地域総局の人間開発セクター担当局長、貧困削減・経済管理ネットワーク(PREM)の副総裁代行、貧困グローバルプラクティスシニアディレクターを務め、2016年11月より現職。「世界開発報告2012:ジェンダーの平等と開発」では執筆担当共同局長を務め、「世界開発報告1995:統合を深める世界における労働者」並びに「世界開発報告2006:経済開発と成長における公平性の役割」の執筆にも携わった。世界銀行入行以前はスペインにおいて、中央銀行での勤務や労働・国際経済学の教鞭経験を持つ。教育、雇用、貧困、貿易問題など幅広い分野の書籍を出版。ハーバード大学にて経済学博士号、ジュネーブ大学法学部にて人権学の学位を取得。 |
関連
プレスリリース(2016年10月2日)
格差の状況把握が、2030年までの極度の貧困撲滅に不可欠
報告書全文
「貧困と繁栄の共有2016:格差の解消に向けて」 (Poverty and Shared Prosperity 2016: Taking on Inequality)