イベント
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第6回防災セミナー「開発における防災の主流化に向けたチャレンジ:インフラと防災」
2015年10月5日東京


防災セミナーシリーズ:世界銀行東京事務所、世界銀行東京防災ハブ共催

日本と世界銀行は、長年にわたり、災害の多い途上国における災害リスク管理に協力して取り組んできました。2013年4月、日本政府は「日本-世界銀行防災共同プログラム」を立ち上げ、世界銀行東京事務所内に世界銀行東京防災ハブを開設し、日本のパートナーと一緒に途上国の防災主流化に取り組んでいます。

近年、台風や地震などの自然災害の頻発化、激甚化による経済損失は、世界全体で年間約2000億ドルにも及び、各国では迅速、かつ将来発生しうる災害への備えが以前にも増して求められています。今年3月には国際社会の防災に対する今後15年の行動指針となる「仙台防災枠組2015-2030」が策定され、災害リスクガバナンス、防災への投資と効果的な応急対応に向けた準備の強化が優先行動として掲げられています。世界銀行も防災に関する投資を増やしており、昨年度は56億ドルの支援を行っています。

このたび、フランシス・ゲスキエール防災グローバルファシリティ事務局長の来日を機に、途上国の様々なセクターで防災主流化を実証したプロジェクトを紹介し、教訓と課題を共有するためセミナーを開催します。今回のセミナーでは、東京防災ハブが日本のパートナーと協力し、エネルギー・運輸等のインフラ整備において、セクター横断的にレジリエンスを高める目的で実施している南アジアと大洋州地域でのプロジェクトに焦点を当てます。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
 

プログラム


開会挨拶

塚越 保祐
世界銀行グループ 駐日特別代表


講演

フランシス・ゲスキエール
世界銀行グループ  防災グローバル・ファシリティ 事務局長
「インフラと防災の主流化に向けたチャレンジ」
 

事例紹介  

マーク・フォーニー
世界銀行グループ 社会・都市・農村・強靭性グローバルプラクティス
上席防災専門官
 「南アジア地域の水事業による災害リスク軽減」 (PDF)

ロベルト・G・アイーロ
世界銀行グループ エネルギー・エクストラクティブス・グローバルプラクティス
上席エネルギー専門官
「大洋州地域での電力セクター復興能力強化支援」 (PDF)

牧野 由佳
世界銀行グループ 東京防災ハブ 上席防災専門官
ソーラブ・ダニ
世界銀行グループ 社会・都市・農村・強靭性グローバルプラクティス 上席防災専門官
「インド: ウッタラカンド州における道路セクターの防災の主流化」 (PDF)


ディスカッサント

アバス・ジャー
世界銀行グループ 社会・都市・農村・強靭性グローバルプラクティス・マネージャー

牧野 由佳
世界銀行グループ 東京防災ハブ 上席防災専門官
 

モデレーター

ジャック・キャンベル
世界銀行グループ 東京防災ハブ 防災専門官

 

❖ 事例紹介の「各タイトル」をクリックすると、資料がPDFで表示されます。

❖ このセミナーは公開用に録画されます。

❖  当日、セミナーをライブ配信します。こちらのリンクからご覧ください。https://www.youtube.com/watch?v=2dOPhkN4Wxc

 

世界銀行によるアジア地域のインフラ・プロジェクト、日本の専門知識と支援を受け強靭性 (レジリエンス) の主流化へ

世界銀行によるアジア地域でのインフラ投資において、防災や気候変動に対する強靭性 (レジリエンス) 主流化の取り組みは技術的なものから制度的なものまで多岐にわたります。各プロジェクトによる明確な成果が見られる中、最終的に「質の高いインフラ」を構築するにあたり、日本の専門知識が重要な役割を担っています。
こうした点について、世界銀行東京事務所東京防災ハブの共催で開催された第6回防災セミナーで、世界銀行の防災専門官、社会・都市・農村強靭性グローバル・プラクティスとエネルギーの各チーム、防災グローバル・ファシリティ (GFDRR) 事務局長が発表、および会場参加者とのディスカッションを行いました。
 

本セミナーでは、「日本-世界銀行防災共同プログラム」を通して世界銀行東京防災ハブが支援するインフラ・プロジェクトを事例に、強靭性 (レジリエンス) を高めるための総合的災害リスク管理や現場における課題等が、世界銀行の各担当専門官により紹介されました。2015年度、世界銀行は強靭化のための開発資金として56億米ドルを投資しており、数値は年率15%の伸びを示しています。「日本-世界銀行防災共同プログラム」は、こうした投資に対する技術支援や能力強化促進に貢献しています。同プログラムがどのように貢献しているかを、スリランカにおける気候変動に対する強靭なインフラ整備、ブータンにおける道路保守プロセスと災害や気候リスクへの総合的考察、太平洋島嶼国における電力会社の災害復旧・災害削減ための機能強化、インド・ウッタラカンド州での道路・住宅および災害管理における迅速かつ効果的な災害後評価の活用といった事例を用いて、世界銀行の各担当専門官が解説しました。

 

ビジネスケースと課題

塚越保祐 世界銀行グループ駐日特別代表は、開会挨拶の中で、日本政府が提げる「質の高いインフラパートナーシップ」の推進を通じた変革への可能性を取り上げ、仙台防災枠組や国連の持続可能な開発目標に沿った世界銀行のインフラ強化に対する取り組みについて述べました。

フランシス・ゲスキエール 防災グローバル・ファシリティ事務局長は、強靭化への投資は災害により引き起こされる損失を低減し、新たな技術革新と投資が促されることによる発展に繋がると述べました。加えて、限りある投資資金、既存の計画や建設の慣例に見られる習慣的事項の払拭は容易でないこと、および地域の状況を踏まえた適切な取り組みの重要性について、開発の専門家が認識することが重要であると述べました。
 

革新的なソリューション

事例紹介では、途上国において良質で強靭なインフラ投資を確実にするための様々な課題についての考察が紹介されました。

マーク・フォーニー 世界銀行グループ上席防災専門官は、空間分析、低予算でのオープン・データ収集技術、および目標を絞った成果物とそれに向けた取り組みが変革的な大規模インフラを推進する過程を、ベトナムのカントー地方の事例等から紹介しました。

ロベルト・アイーロ 世界銀行グループ上席エネルギー専門官は、太平洋州における事例を用いて、自然災害についての総合的考察を踏まえたエネルギー計画、効率性、持続可能性の強化について解説しました。

牧野由佳 世界銀行グループ上席防災専門官は、2013年の洪水により壊滅的被害を受けたインド・ウッタラカンド州への世界銀行の支援が地域の交通に大きな進歩をもたらした事例を紹介し、新規道路建設や傾斜地の安定化への取り組みにおける日本の経験の活用事例を紹介しました。

ディスカッション・セッションでは、アバス・ジャー 世界銀行グループ 社会・都市・農村・強靭性・グローバル・プラクティス・マネージャーが、現地政府担当者の直面する課題を取り上げ、投資における質の高さと強靭化が求められる一方、学校・水・衛生設備等多数の投資が必要とされる現状について解説し、量と質のトレード・オフの問題に直面することを指摘しました。また、「質の高いインフラパートナーシップ」で推進される通り、例えば定期的なライフサイクル分析に焦点をあてるなどの手法を用い、政策決定者が投資効果を長期のスパンで採択し通常の投資プロセスにおいても包括的な強靭性 (レジリエンス) を考慮できるよう、開発専門家が責任を持って取り組むことが重要であると述べました。

当日は、会場となった東京開発ラーニングセンター (TDLC) に100名を超えるご参加をいただきました。政府、民間セクター、学術機関等、様々なバックグラウンドをお持ちの参加者の各視点から、日本の知見・技術を途上国のチャレンジに活かす機会についてご意見をいただいた他、パネリスト各者との質疑応答が行われました。

 

イベント詳細
  • 日時: 
    2015年10月5日 (月) 午後4時~5時30分
  • 場所: 
    世界銀行東京開発ラーニングセンター
    東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル10階
    地下鉄三田線内幸町駅直結、千代田線・日比谷線・丸の内線霞ヶ関駅C4出口下車
    地図
  • 言語: 
    英語・日本語 (同時通訳付)
  • お問合せ: 
    世界銀行東京事務所
    EMAIL: ptokyo@worldbank.org
    TEL: 03-3597-6650
    世界銀行東京防災ハブ
    EMAIL: drmhubtokyo@worldbank.org
    TEL: 03-3597-1320


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