世界銀行グループは6月10日、報告書『世界経済見通し(GEP):移行期の世界経済(Global Economic Prospects: The Global Economy in Transition)』を発表しました。同報告書では、2015年、途上国は多くの難しい課題に直面しており、原油などの主要一次産品の価格下落という新たな状況に適応が求められる中、借入コスト増が近いと見られ、経済成長率は4年連続で不本意な水準となると指摘しています。こうした状況を受け、途上国の成長率は、2015年が4.4%、2016年が5.2%、2017年が5.4%と予測しています。
この度、『世界経済見通し(GEP)』報告書をはじめ世界銀行の経済見通しの準備作成を統括するアイハン・コーゼ開発経済総局(DEC)開発見通し局長が来日し、発表されたばかりの同報告書の概要をご紹介するセミナーを開催いたしました。
スピーカー:
アイハン・コーゼ
世界銀行 開発経済総局(DEC)開発見通し局長
世界銀行グループの開発見通し局長として、マクロ経済見通し・予想、金融フロー、商品市場に関する分析業務をとりまとめ、貧困撲滅と繁栄の共有の促進という世界銀行グループの2つの目標のモニタリングも主導。世界銀行の旗艦報告書である『世界経済見通し』(Global Economic Prospects)、『グローバル・モニタリング・レポート』(Global Monitoring Report)などの経済モニタリング報告の作成を統括。2014年6月の世界銀行入行前は国際通貨基金(IMF)に所属しており、調査局次長兼多数国間サーベイランス部次長、2014年版スピルオーバー報告書タスクフォース共同議長、ニカラグア2007~11年IMFプログラム事後評価担当チーフ、西半球局米国・カナダ担当デスク。シカゴ大学経営学大学院とINSEADで教鞭をとり、ブランダイズ大学国際経営学大学院助教授を歴任。マクロ経済・国際金融に関する著作多数。アイオワ大学経営学大学院経済学博士号、ビルケント大学産業工学士号を取得。トルコ出身。
コメンテイター:
吉野直行
アジア開発銀行研究所(ADB Institute)所長
米国ジョンズホプキンス大学大学院PhD(Economics), ニューヨーク州立大学助教授、パリ政治学院訪問教授、スウェーデン・ヨーテボリ大学名誉博士、マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク名誉博士、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学訪問教授、関税・外国為替審議会会長、財政投融資分科会部会長、金融審議会会長などを歴任。2013年福澤賞。現在、アジア開発銀行研究所(ADBI)所長、慶應義塾大学名誉教授、金融庁金融研究センター顧問、放送大学客員教授、政策研究大学院大学客員教授。主な編著書に、Postal Savings and Fiscal Investment in Japan (Oxford University Press)、Small Savings Mobilization and Asian Economic Development (M.E.Sharpe)、Hometown Investment Trust Funds (Springer)、『社会と銀行』(放送大学教育振興会)、『これから日本経済の真実を語ろう』(東京書籍)など多数。
当日の資料:
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