世界銀行は、2030年までに極度の貧困層を世界人口の3%以下まで低減する「極度の貧困の撲滅」と、各国の下から40%の人々の収入を増大する「繁栄の共有の促進」の2つの目標を業務の指針として掲げています。貧困削減は過去数十年にわたり世界銀行のミッションの核をなすものですが、今回は目標と達成期限を定めるとともに、全ての人々による成長の共有を目標として初めて掲げました。
2015年2月27日、アナ・レヴェンガ 世界銀行 貧困グローバル・プラクティス シニア・ディレクターの来日の機会にあたり、セミナー「貧困撲滅と繁栄の共有の促進のために必要なことは何か?」を開催しました。本セミナーでは、2つの目標の達成に向けて、同グローバル・プラクティスが途上国政府に対して提供する政策助言とそのモニタリング・評価、キャパシティ構築、データ収集・分析、経験共有などの取り組みをご紹介しました。
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会場の様子 |
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アナ・レヴェンガ 世界銀行 貧困グローバル・プラクティス シニア・ディレクター |
山形辰史 ジェトロ・アジア経済研究所 国際交流・研修室長、 開発スクール(IDEAS)事務局長 |
スピーカー
アナ・レヴェンガ
世界銀行 貧困グローバル・プラクティス シニア・ディレクター
24年間におよぶ世界銀行でのキャリア を通して東アジア・大洋州、中央アジア、ラテンアメリカ、中東・北アフリカなどの地域やOECD諸国を管轄する各種管理職に従事し、現職の前は欧州・中央 アジア地域総局の人間開発セクター担当局長、貧困削減・経済管理ネットワーク(PREM)の副総裁代行を務めた。「世界開発報告2012:ジェンダーの平等と開発」では執筆担当共同局長を務め、「世界開発報告1995:統合を深める世界における労働者」並びに「世界開発報告2006:経済開発と成長における公平性の役割」の執筆にも携わった。世界銀行入行以前はスペインにおいて、中央銀行での勤務や労働・国際経済学の教鞭経験を持つ。教育、雇用、貧困、貿易問題など幅広い分野の書籍を出版。ハーバード大学にて経済学博士号、ジュネーブ大学法学部にて人権学の学位を取得。
当日の資料
コメンテイター
山形辰史
ジェトロ・アジア経済研究所 国際交流・研修室長、開発スクール(IDEAS)事務局長
1988年、アジア経済研究所入所。専門分野は開発経済学、バングラデシュ経済、繊維産業、保健と開発、障害と開発。国際開発学会副会長。外務省ODA評 価の評価主任・評価委員なども歴任。主編著に「障害と開発の実証分析:社会モデルの観点から」、「グローバル競争に打ち勝つ低所得国」、「貧困削減戦略再考:生計向上アプローチの可能性」、「開発経済学:貧困削減へのアプローチ」等。慶應義塾大学経済学部卒、同経済学研究科にて経済学修士、ロチェスター大学にて経済学修士号および経済学博士号取得。
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