2014年4月23日、東京-世界銀行が事務局を務める防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)は、主要な二国間ドナーを含む37か国、ならびに欧州連合(EU)、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)、世界銀行など7つの国際機関によるパートナーシップで、日本は主要ドナーの一つです。市民社会組織(CSO)、専門機関を中心に300以上のパートナーと協力し、防災や気候リスク管理を開発の取組みに主流化することを目指しています。現在、防災と気候変動リスク管理のために、CSOとのより緊密な協力関係構築のための戦略を策定しており、日本のCSOの方々からご意見を伺うテレビ会議によるコンサルテーションを開催いたしました。
GFDRRは過去2年間、シビルソサエティとの協働を積極的に進めています。これまでの協働から得られた経験をもとに、現在GFDRRは包摂的なコミュニティの強靭性に着目した戦略の修正版を作成しています。策定中の新戦略は、貧困世帯や貧しいコミュニティを直接支援する投資やプロジェクトを活用することで、コミュニティの強靭性強化を図ることを目的としています。また、災害に強い社会構築のために、コミュニティ主導による政府とのパートナーシップを強化し、強靭性の設計・構築の担い手として、特に女性のエンパワーメントを重視しています。新戦略は、GFDRRのパートナーの議論を経た後に最終版が作成される予定です。
コンサルテーションでは、まず、社会開発・防災上級専門家で、GFDRRのCSOコーディネータを務めるマーガレット・アーノルドから、GFDRRの取組みや世界銀行との関係についてご紹介した後、GFDRRがシビルソサエティを防災における重要なパートナーであることを説明。国レベルで防災の取組みが前進し成功をおさめるために、コミュニティがリスク管理の権限を与えられなければならず、コミュニティが政府と連携して防災を進めれば、取組みの有効性と持続可能性が高くなること、コミュニティはまた、地元の知識に通じており、現地の優先事項に対応できるという点で防災の担い手の中核となっていることを報告し、今回の戦略改訂版ではこうした点を踏まえていることが報告されました。
今回、ご参加いただいた日本のCSOの方々から、アジア・大洋州の熱帯での10年以上にわたるマングローブの植林活動や、防災にユースや子供たちを関与させることの重要性、防災教育がコミュニティの強靭性強化に果たす重要な役割といった知見について、日本や途上国においてコミュニティの強靭性強化を支援されてきた豊富な経験を踏まえ、貴重なご意見をいただきました。また、2015年に開催予定の国連防災世界会議にコミュニティの声を届けるため、どのように協力すべきかについても意見交換が行われました。