2014年3月13日、東京 -アフリカ開発会議(TICAD)の共催者である世界銀行グループは、東京で開催されたTICAD関連会合の機会に、TICAD官民円卓会議のご協力を頂き、国際金融公社(IFC)及び多数国間投資保証機関(MIGA)と共に世界銀行グループとして初のビジネスセミナーを開催しました。セミナーでは、世銀グループとしてどのようなサービスが提供できるかご紹介するとともに、アフリカビジネスにおける日本と世界銀行グループの今後の協力について議論を行いました。
冒頭、塚越保祐世界銀行駐日特別代表からの趣旨説明として、世界銀行グループが、従来から民間セクター主導によるアフリカの持続的成長を支援しており、TICAD共催者として日本政府や民間企業のアフリカへの活発な関与を様々な形でこれまで以上に支援していくと述べました。
岡村善文外務省アフリカ部長からは、開会ご挨拶として、アフリカは日本にとって大切なパートナーであり、人間の安全保障の推進、ミレニアム開発目標の達成、保健や防災といったアフリカが抱える課題に対し、TICADプロセスを通じて、世銀と共に引き続き取り組んでいくことを説明しました。同時に、アフリカを「拡大する10億人市場」と捉える企業が増える中で、「TICAD官民円卓会議」を立ち上げたことを紹介し、官民が一体となってビジネスチャンスを発掘・拡大していくことに期待を寄せました。
セミナー第一部では、世銀グループがそれぞれの支援概要を説明しました。ゲイブ・タタ世界銀行アフリカ総局民間セクター開発局長からは、今後のアフリカのGDP成長率が他の地域と比べて高く予測されており、今後の市場潜在性を指摘した上で、世銀グループとして、特にアグリビジネス、観光、製造分野での開拓に力を入れていくことを紹介しました。また、企業にとっての制約要因として、経済的制約(ビジネス規制、インフラの整備、資金調達)、産業的制約(バリューチェーンの強化)、企業内制約(技術力)を挙げ、過去10年間での変化を俯瞰しました。日本の企業に向けては、製造業への投資、技術移転、中小企業育成、民間主導の研修プログラム等に機会があると説明しました。オマール・セイードIFC東部・南部アフリカ担当局長は、アフリカに成長をもたらすために、IFCとして民間企業とともに特にインフラ整備、製造業、中小企業育成を目指していく旨を述べ、日本企業によるガーナでの砂糖事業について紹介しました。ムハメット・フォールMIGAアジア大洋州担当マネージャー代行は、MIGAの実績としてこれまで700件の投資保証を行い、損失件数が6件であることを挙げ、アフリカで想定される非商業的リスク(マクロ経済不安、政治リスク、通貨移転制約、等)を説明しました。
当日のプログラム
第一部
趣旨説明
塚越保祐 世界銀行駐日特別代表
開会挨拶
岡村善文 外務省アフリカ部長
世銀グループ概要
「世界銀行のアフリカ支援戦略」
ゲイブ・タタ 世界銀行アフリカ総局民間セクター開発局長
「IFCの投融資サービス」
フランク・ドゥアンバ IFCアフリカ戦略調整ユニット・ヘッド
「MIGAの保証業務」
ムハメット・フォール MIGAアジア大洋州担当マネージャー代行
第二部
パネルディスカッション(パネリスト敬称略)
MIGA案件事例紹介「ザンビアでの鉱山機械再生工場」
日立建機株式会社
MIGA案件事例紹介「モザンビークでの木材チップ製造事業/ガーナでの海水淡水化事業」
双日株式会社
IFC案件事例紹介
フランク・ドゥアンバ IFCアフリカ戦略調整ユニット・ヘッド
ゲイブ・タタ 世界銀行アフリカ総局民間セクター開発局長
ムハメット・フォール MIGAアジア大洋州担当マネージャー代行
モデレーター:
水野哲昭 IFC東京事務所長
質疑応答
当日の資料
- Private Sector Development in Africa and World Bank Support: Presentation to Japanese Private Sector (PDF)
- IFC in Africa: Partnering for Transformational Change through the Private Sector (PDF)
- IFC’s Value Add to Emerging Markets Investors in Africa (PDF)
- Multilateral Investment Guarantee Agency: Enhancing Investments in Africa (PDF)
- Multilateral Investment Guarantee Agency: Enhancing Investments in Emerging Countries (PDF)