2011年11月、ブータンのワンチュク国王夫妻が国賓として来日したことをきっかけに、ブータンへの関心が改めて高まりました。日本ブータン・友好協会と世界銀行東京事務所では、ブータンに関わって活躍する様々な分野の専門家をお招きし、ブータンについて理解を深める「ブータン・国民総幸福(GNH)の今」シリーズを開催してきました。
最終回は、ブータンの王政から民主化・分権化という移行期に実施された世界銀行支援の都市開発プロジェクトについて、慶長寿彰・世界銀行シニア都市環境スペシャリストが紹介します。世界銀行は、2000年から2006年にわたり、ブータンにある10の地方都市で給水、衛生、道路整備、公共公園、土地開発に融資を行いました。さらに2011年からは、首都ティンプーでの区画整理プロジェクトに融資をしています。これらのプロジェクトの経緯や経験を、ブータン政府の制度設計や住民とのコンサルテーションの様子も交えながら、お話いたします。ぜひご参加ください。
スピーカー
慶長 寿彰
世界銀行シニア都市環境スペシャリスト
ヨーロッパ・中央アジア総局サステイナブル・ディベロップメント都市・水供給・衛生・災害マネジメントグループ所属。青森県八戸市生まれ。1986年東京大学工学部都市工学科卒。東京大学工学部修士課程を経て1988年八戸市庁入庁。1992年八戸市庁を辞職し、オクラホマ大学大学院に就学(公共政策・行政経営学修士を取得)。1994年、世界銀行入行。大学院時代に訪れたインドネシアで発展途上国に興味を持ち、国際公務員になることを決意。八戸市庁都市開発部で約4年間地方都市の街づくりを実践した経験を活かして、世銀入行後は主に途上国の地方自治体の育成や都市環境対策を支援。2001年6月から1年間豪州ブリスベン市庁都市経営局に出向し、市の持続可能な都市経営戦略を担当。2002年6月、世銀に復帰。2007年5月より2年間のスリランカ駐在ののち、現在ワシントン本部に勤務。