十分な衛生状態を得られていない人々の数は世界で25億人、うち6億6000万人が東アジア・大洋州地域で生活しているといわれています。近年、同地域は目覚しい都市化が進んでおり、域内の都市は経済成長を牽引していますが、これらの都市では、経済が成長する一方で衛生状況は改善しておらず、不十分な衛生が経済に及ぼす影響は85億ドルにのぼり、増加傾向にあります。また、都市衛生状況が整っていないため、コレラや下痢による慢性的な健康状態の悪化などの高いリスクにさらされています。世界全体で見ると、下痢を原因とした死亡の約88パーセントが衛生施設の欠如、衛生を保つために必要な水の不足、安全でない飲料水により引き起こされています。さらに、不十分な衛生状況により水道を清潔に保つことが出来ず、飲料、灌漑などに対する清潔な水の供給が困難になっています。
こうした状況をうけて、世銀は「都市衛生レビュー:今こそ行動を」報告書をまとめ、現状分析と持続的な衛生改善手法を提言する予定です。このたび、本報告書の主執筆者であるスィディプト・サルカル・世界銀行東アジア・大洋州地域持続可能な開発総局水装置担当官の来日を機会として、本報告についてご紹介いたします。ぜひご参加ください。