概要
2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって世界経済が失速する中、南アジア地域の経済は過去40年間で最悪の水準に陥っています。2020年の域内成長率は、以前の予測値である6.3%を下回るマイナス2.7%に落ち込むとみられます。低迷は2021年も続き、成長率は2.5%前後で推移するとみられます。
南アジア地域では、過去数年間の急成長に伴って貧困が減少し、保健及び教育の面でも大きな進歩がありました。しかし1日1.90ドル未満で生活している人の割合は、2015年の段階でも12.4%に達していました。この割合は人数にすると約2億1,600万人に上り、世界の貧困層の3分の1に相当します。新型コロナウイルス感染症がもたらした危機により、南アジア地域では極度の貧困層が世界最大規模で増加するとみられています。同地域は多次元貧困指数も世界平均より高く、多くの域内諸国が極端な社会的排除や深刻なインフラ・ギャップに苦しめられています。また、流入する難民の数も近年で最も高い水準にあり、国連の推定では2017年8月以降、74万人を超えるロヒンギャ難民がバングラデシュに避難しました。
詳細は2020年度年次報告書(PDF)をご覧ください。