世界銀行上級専務理事(SMD)として、開発政策とパートナーシップを統括。

オランダ及びオーストリア国籍で、世界銀行の中核的な開発業務である「人」「地球」「繁栄」「インフラ」「デジタル」を指揮し、特に気候変動、脆弱性、人的資本、債務の持続可能性に焦点を当て、業務への統合を図る。

国際連合、国際金融機関 (IFI)、二国間パートナーを含む世界銀行のパートナーシップを監督し、国際開発協会(IDA)の増資での共同議長を務める。また、G7およびG20会議では世界銀行を代表して出席し、毎年開催される国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の動向をふまえて世界銀行の気候変動への取組みを主導。

それ以前は、3年半にわたり、業務プログラム全般を統括する専務理事を務め、全世界に140を超える事務所を擁する世界銀行の現地業務を監督。また、融資、グラント、クレジット、信託基金、平均で年間約700億ドルの融資および金融支援を含む世界銀行プログラムの遂行を統括。

業務統括の専務理事在任中、新型コロナウイルスおよび他の危機対応で金融支援の大幅増額を指揮、その額は約2,250億ドルに達した。専務理事就任前の1年間に、世界銀行最高財務責任者代理と世界銀行最高執行責任者代理を別々の時期に務めた。

開発のための資金動員にも豊富な経験を有する。2016年から2019年に、開発金融担当副総裁として、国際開発協会(IDA)の増資・運用を統括。IDA第16次増資(IDA16)とIDA第18次増資(IDA18)において政策交渉を主導、IDA第20次増資(IDA20)では議長を務め、世界の貧困国向けに計2,930億ドルの増資を実現した。また、世界銀行グループの増資獲得の取組みを共同で主導し、結果として、2018年4月にIBRDの資本金600億ドルの増資を含む革新的なパッケージが承認された。2019年にラテンアメリカ・カリブ海地域、2013年から2016年に東アジア・太平洋地域副総裁、2007年7月から2009年7月までコロンビアとメキシコ担当局長、2002年から2007年までアルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイ担当局長を歴任。

一方、貧困国のための最大かつ最も包括的な債務救済プログラムである重債務貧困国(HIPC)イニシアティブを設計してシニア・マネージャーを務め、IMFの担当者と共に、債務救済の枠組み制定に加え、対20カ国約300億ドル相当の債務救済パッケージを実現。

「設立80年となる世界銀行グループは活発に動いている。大胆かつより野心的に、加盟国に成果を届けるために懸命に働き、時代を左右する試練を克服していく準備を整えている。われわれ全員の努力により、インパクトをもたらすための絶え間ない推進という目標が達成される」
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アクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ
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