概要
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まる前の2019年、東アジア・太平洋地域の成長率は2018年の6.3%から5.9%に低下しました。中国の成長率は2018年の6.6%から2019年は6.1%に減速し、中国を除く東アジア・太平洋地域の途上国の成長率は、2018年の5.2%から2019年には4.7%に低下しました。世界銀行が発行する「世界経済見通し(GEP)」の2020年6月版によると、この地域の2020年の成長率は0.5%に減速する見通しです。明らかな下振れリスクとしては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が想定より長引くこと、金融市場への圧力が長期化すること、貿易紛争の再燃によって世界貿易が想定外に長くかつ大幅に縮小すること等が考えられます。
2019年、中国を除く東アジア・太平洋地域の途上国の推定貧困人口(1日5.50ドル未満で生活している人々)が2億7,100万人だったのに対し、東アジア地域の途上国の総人口の65%を占める中国の推定貧困人口は約2億2,500万人に上りました。2020年は、新型コロナウイルス感染症が経済にもたらす影響により、域内の貧困人口が大幅に増加する恐れがあります。
詳細は2020年度年次報告書(PDF)をご覧ください。